スーダンのキリスト教系学校「スーダン・エバンジェリカル・スクール」の職員12人が3月27日、逮捕された。同校は首都ハルツームに近い同国最大の都市オムドゥルマンにあり、数人の職員が同時に警察当局によって学校の敷地への出入りを禁止された。
職員らは、一部のイスラム教徒たちが同校の乗っ取りを図ろうとしている、と非難している。スーダン福音長老教会の指導者2人も逮捕されたという情報もある。
逮捕された職員らはすでに解放され、校内への出入りも許可されたというが、今回の事件は、同国で頻発しているキリスト教徒に対する脅迫の一端だとみられている。
迫害関連の情報を発信しているニュースサイト「モーニング・スター・ニュース」(英語)は、「キリスト教徒に対するいやがらせ、逮捕、迫害が、2011年7月の南スーダン独立以来激化している。オマル・アル・バシール大統領は、シャリア(イスラム法)のより厳格な規定を採用して、イスラム文化とアラビア語使用しか認めないことを言明した」と伝えている。
キリスト教抑圧監視団体「米国オープン・ドアーズ」は、キリスト教徒に対する迫害がひどい国をまとめたリストで、スーダンを5位に位置付けている。
スーダンは南スーダンと比べてキリスト教徒の人口は少ないが、キリスト教徒による共同体は相当数ある。職員が逮捕された同校も、幾つかあるキリスト教教育機関の1つである。