世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会と難民支援協会が協力して行う難民受け入れプログラムにより、シリア難民の留学生5人が3月28日、日本に無事到着した。翌29日には東京都内で、関係者を交えての歓迎レセプションが行われ、留学生一人一人が思いを語った。
WCRP日本委と難民支援協会による「プライベート・スポンサーシップ」は、日本では初めての民間主導の難民受け入れプログラム。首都圏と関西圏にある日本語学校2校と、協力企業・団体の支援を得て、トルコに逃れていたシリア難民を留学生として受け入れるというもの。当初は6人の受け入れを予定していたが、手続きの関係上、先に5人が到着した。
シリアにいた時から日本語翻訳者を目指して勉強していたという20代の女性は、「このプログラムには、言葉にできないほど感謝しています。楽しんで頑張ります」とコメント。10代の女性は、「チャンスを与えてくれてすごくうれしいです。こんなに夢に近づけるとは思っていませんでした。人生を変えてくれるチャンスをありがとうございます。私たち以外にもチャンスが必要な人はたくさんいます。この支援が止まらないことを願います」と語った。
2011年に内戦が勃発したシリアは現在、人口の半数となる約1200万人が国内外に避難を強いられ、そのうち280万人以上がトルコに難民として逃れている。その中で、高等教育の機会が限定的、もしくは中断せざるを得ない若者は55万人に上るという。
プライベート・スポンサーシップは、1978年に世界で初めてカナダで導入されたプログラム。ベトナム戦争で大量に生み出されたベトナム難民の受け入れ促進のため、教会が中心となって始まった。カナダではこのプログラムにより、2013年までに6500人以上の難民が定住できたという。今回の日本でのプライベート・スポンサーシップに対しても、カトリック教会の救援機関であるカリタスジャパンが支援を行っている。