【CJC=東京】全世界約8000万人の英国国教会(聖公会)信徒のほぼ半数を代表する世界聖公会未来会議(GAFCON=ガフコン)運動と呼ばれる保守派が、6月22日から29日までエルサレムで集会、最終日に声明と「エルサレム宣言」を発表した。
会議は保守派の首座主教たちに、宣言に沿って「教会の中の教会」とも言える協議会の結成を呼び掛けた。ただ「アングリカニズム」(英国国教会主義)から完全な離脱、分裂をするものではなく、信仰の基盤を守ろうとしているだけだとしており、カンタベリー大主教との関係は否定せず、世界聖公会共同体の交わりの中に留まるものとしている。
ただ聖公会の最高会議であるランベス会議は7月16日から8月4日まで開催されることになっており、それを目前に控え、同派の霊的最高指導者カンタベリー大主教ローワン・ウイリアムズ氏に対する重大な「挑戦」となった。
エルサレム会議には少なくとも英国国教会の主教2人が加わっているほか、アフリカ、南米、オーストラリアの教会指導者など1148人が参加しており、「カンタベリーの植民地的」支配の終わりを指向するものと見られている。
協議会は、GAFCONに参加したケニア、ナイジェリア、ルワンダ、ウガンダ、西アフリカ、南アメリカの首座主教によってまず結成されることになろう。
GAFCONは各国の「正統派」に、米国とカナダの教会との連携を強めるよう働きかけている。両教会の「自由派」指導者が、聖書の教えから逸脱し、公然同性愛者を主教に叙階したり、同性間の「結婚」祝福などを行っていることに対抗しようというもの。
エルサレム声明は、共同体の中に、自由派の路線に沿って、聖書を書き直すという「誤った福音」を用いる動きがあり、アメリカとカナダで幾つかの教区が離脱して、アフリカと南アメリカの聖公会に加わることを余儀なくされた、と主張、また英国国教会主義の「植民地的な構造」が、同性愛の聖職叙階と同性間の結合を祝福することで規則を破った教会に制裁を課さなかった、としている。