生駒聖書学院(奈良県生駒市)の第64期卒業式が3日行われ、本科生8人、通信科生4人の計12人が新たな思いを胸に旅立った。2013年に開設された通信科からの卒業生は今年が初めてで、卒業式では榮義之学院長(76)が「生涯をかけて福音に仕えよ」と激励の言葉を送った。
この春、牧師・伝道師の養成コースである本科を卒業したのは、29歳から64歳までの男女8人。出身教団・教会は、日本オープン・バイブル教団、日本バプテスト連盟、日本ペンテコステ教団、純福音教会、各単立教会とさまざまだ。卒業式には、卒業生の家族や出身教会の牧師、学院関係者ら約100人が参列した。
今年の本科卒業生で最年長となる渡辺正さん(64、日本バプテスト連盟大阪中央バプテスト教会)は、単立・堺神愛教会への派遣が決まっており、6月頃から本格的に伝道牧会を始める。本科卒業生の中で唯一の女性である伊藤恵子さん(32、単立・姫路聖心キリスト教会)は、今年秋までに教会堂の1階に「福音美容室」を開く計画だ。美容室内にはブライダルサロンも開き、美容イベントや結婚セミナー・カウンセリングなどを通して福音を伝えていくという。
共に29歳で同じ犬山キリスト純福音教会出身の伊藤真広さんとブラジル人のソウザ・チアゴさんは、神戸市東灘区で新しく「God Spell Church(ゴッドスペル・チャーチ)」を立ち上げる。人の行き来が多い駅前などでの路傍伝道や、ストリートライブ、チャリティーコンサートへの参加などを通した音楽伝道にも力を入れる。主任牧師となるチアゴさんは卒業の決意表明で、「日本の音楽界に賛美を浸透させ、日本を賛美の流れる国に変えていきます」と書いている。
通信科の第1期卒業生となった手塚ひとみさん(40、日本基督教団習志野教会)は、「もっと伝道したい、もっと路傍伝道したい、もっと賛美集会をしたいと思っている教会のメンバーと共に、聖霊様に満たされて、伝道をしていきます」とコメント。同じく通信科を卒業した72歳の丹健司さん(大阪オンヌリ教会)は、「学院で学び得た霊的財産を用いて、人生最後の働きをしていきます」と話している。
榮学院長は卒業式のメッセージで、コリント人への手紙第一9章23節「私はすべてのことを、福音のためにしています。それは、私も福音の恵みをともに受ける者となるためなのです」を引用。救われた喜びの笑顔で、相手の救いを願いながら、福音の素晴らしさをいつでもどこでも語り続けるよう、卒業生たちを励ました。
生駒聖書学院は、「イエス・キリストの来られる日まで、日本とペンテコステのために」と、英国人宣教師のレオナード・W・クート氏が1929年に設立。この88年の歴史で、多くの牧師・伝道師を送り出してきた。現在は本科と通信科のほか、聴講制度もある。通信科と聴講制度は一般信徒も対象としており、通信科はDVDやCD、テキストのみを用いるため、自宅などで学びを進められる。2017年度の入学式は4月10日で、入学生は現在も募集している。詳しくはホームページを。