「・・・マリヤはヨセフの妻と決まっていたが、ふたりがまだいっしょにならないうちに、聖霊によって身重になったことがわかった。夫のヨセフ・・・がこのことを思い巡らしていたとき、主の使いが夢に現れて言った。『・・・恐れないであなたの妻マリヤを迎えなさい。・・・マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。』・・・『見よ、処女がみごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。』(・・・神は私たちとともにおられる、という意味である。)」(マタイの福音書1章18~25節)
今年の新語流行語大賞に「神ってる」という言葉が選ばれました。野球の広島カープが大躍進の中で使われた言葉ですが、牧師としては、軽すぎて怖さを感じます。人は神にはなれませんので、「神がともにおられる」という表現が正しい理解です。
アドベント期間中に、イエスの誕生にちなむ4人の人々について語っていますが、今週はヨセフを通して共に学びましょう。今日の聖書の箇所を読むと、クリスマスの聖誕劇で、喜んで主役を決める時のような楽しくてうれしいものではないのが分かります。
1. 神のご計画
2千年前の非常に厳格なユダヤの社会で、許婚(いいなずけ)であるマリヤが結婚前に妊娠したのは大問題です。ヨセフは分別のある正しい人でしたから、心痛め頭を悩ませ、精いっぱいの配慮をもって事態を収拾しようとしました。
しかし、ヨセフの人間の考えを圧倒する神のご計画がありました。主の使いはヨセフに、それが聖霊によること、生まれるのは、全ての民を罪から救う救い主だと告げました。そしてヨセフは、自分の持っていた人間的な計画ではなく、神のご計画を受け止めて生きることにしたのです。
2千年前のマリヤとヨセフに起こったことを通して、人類の救いに関わる神のご計画が現されたように、2016年のクリスマス、あなたの思い巡らしている計画にも、神のご計画が現されると信じましょう。
2. 聖霊の力
私たちが生きている世界は、さまざまな力が働きます。自然界では、例えば重力など、社会ではお金や教育、軍事力、親子夫婦間の愛の力。マリヤの妊娠は、科学的に証明しようとすると極めて低い確率でしか起こらないと表現されるでしょうが、神しか用いることのできない神の力・聖霊の働きが存在するのです。
神ご自身が創造主ですから、人のやり方や自然界の法則に縛られない、超自然的な法則でイエスを送り込んでくださったのです。ヨセフは、この世のどんな力よりも優れた力として、聖霊の働きを認めました。私たちのクリスマスも、聖霊が常に私たちの内に働いて偉大な奇跡を起こすのです。
3. 共におられる主
私たちの抱えている弱さ、足りなさ、不完全さ、汚れ、罪深さから私たちを救ってくださるお方は、どのようにして救いを現されるのでしょう。それは、何かをふりかけて一瞬にして清めてくださるというようなものではなく、イエスが十字架にかかって私たちの罪のために死んでくださったことによるのです。
そのイエスが、常に私たちと共にいてくださり、私たちの命を背負ってくださるインマヌエル(神が私たちと共におられる)の救い主なのです。ヨセフは告げられた通り、生まれた子にイエス(主は救い)と名付けました。ヨセフは、神の救いのご計画を信じ受け入れたのです。このクリスマスにこの恵みを共に体験しましょう。
◇