ブルガリア正教会は、今年の6月にギリシャのクレタ島で開かれた正教会聖大会議(通称「全正教会会議」)の成果を拒絶する声明文を、11月29日に公式サイトで発表した。
同正教会はその声明文で、クレタ島で行われた同会議は「大でもなければ全でもなく、全地でもない」と主張。その理由として、1つ目に、「組織的および神学的な誤りのために、幾つかの独立正教会が不参加であったこと」を挙げる一方、「しかし、われわれはその実施のための全ての主催者と参加者の努力を尊重し感謝する」とも述べている。
同正教会は同会議の開催前にその延期を主張し、さもなければ同会議に参加しないとして欠席していた。他にも、ロシア正教会、アンティオキア総主教庁、ジョージア(旧グルジア)正教会が参加しなかった。
「クレタ島における同会議で採択された文書を慎重に検討した結果、われわれは、そのうちの幾つかに、正教会の教え、正教会の教義と教会法上の伝統、全地および各国の(正教会)会議の精神および文言に対する矛盾が含まれているという結論に達した」と、ブルガリア正教会はその2つ目の理由を挙げている。
「クレタ島における同会議が採択した文書は、正教会の精神および伝統において、矯正や編集、訂正ないし他の(新しい文書)との置き換えのために、さらなる神学的議論が必要である」と、ブルガリア正教会はさらにその理由を記している。
しかしながら、その上で同正教会は、「ブルガリア正教会は1つの聖なる普遍的で使徒的な教会の不可欠な一部であり、生きたメンバーである」とも述べ、「キリストの体の一部として、ブルガリアの国内領域および国外のブルガリア教区が持つ、まさにこの体であるブルガリア正教会は、他の全ての正教会―クレタ島の祭りに参加したところと参加しなかったところの両方と、依然として兄弟としての領聖・霊的・教義的および教会法上の交わりのうちにある」と記し、正教会聖大会議を「祭り」と呼んでいる。
その上で同正教会は、「教会は世俗的な組織ではなく、神と人間の有機体である。それは自らの生活において、政治的および社会的な利益とそれらの各部門によって左右されることはなく、また影響を受けるべきではない」と述べ、新約イオアン(ヨハネ)第14章6節を引用して、「その頭は『道ナリ、真実ナリ、生命ナ』る主イイスス・ハリストスご自身である」としている。
最後に同正教会は、「教会生活における独立性と普遍性の原理は、互いに矛盾しないだけでなく、補い合うものであり、お互いに由来し、完全な一致のうちにある」と結んでいる。