【CJC】イタリア中部の地震で数百人が死亡し、1万数千人が家を失う被害が出たことについて、強硬派神学者として知られるジョバンニ・カバルコリ神父が地震当日、カトリック系ラジオ局「ラジオ・マリア」で、「同性のカップルらに結婚に準じた法的な権利を与える『シビル・ユニオン(共同生活者)法』を認めたことに神が与えた罰」だと発言した。AFP通信(日本語版)が報じた。
イタリア中部では10月30日にマグニチュード(M)6・6の地震が発生した。同国の地震としては36年ぶりの強さで、同じ地域を襲った強い地震としてはここ2カ月で3度目。
イタリア・メデイアの報道によると、バチカン(ローマ教皇庁)国務省長官代理のジョヴァンニ・アンジェロ・ベッチウ大司教はカバルコリ神父の発言について「信徒に不快感を与え、信徒以外の人に恥をさらす」ものだとの見解を示した。同大司教は地震の被災者に許しを求めるとともに、教皇フランシスコは被災者と連帯し、被災者を支援する考えであることをあらためて示した。
それでもカバルコリ神父は、別のラジオ局で地震の原因は「人間の罪業」だと述べ、バチカンには(信徒などに教理を解説するときに使われる)教理問答を読むよう促したという。
イタリアでは同性カップルの「シビル・ユニオン」を認める法律が10月施行されたばかり。欧州連合(EU)加盟28カ国の中で、同性カップルに対する法的保護が存在しない最後の国として、EUの人権裁判所から是正の勧告を受けていた。