ウェールズ聖公会は、英国の他の4つのキリスト教会に加わって、シリア北部の都市・アレッポにおける戦闘をやめるよう呼び掛けた。
これらの教会は、「非戦闘員を標的にして殺害した」責任のある者たちについて、戦争犯罪としてその責任を問うよう求めた。同教会は、非戦闘員を標的にすることは「単なる戦争の結果として、決してなおざりにしてはいけない」と述べ、「家屋や病院、援助の車両に対する空からの攻撃は、いかなる状況の下においても、決して容認できない」としている。
ウェールズ聖公会の国際グループ議長で、スウォンジーおよびブレコン主教であるジョン・デイビーズ氏は、英国バプテスト同盟総主事のリン・グリーン牧師、メソジスト会議議長のロジャー・ウォルトン牧師、合同改革派教会総幹事のジョン・プロクトル牧師、(長老派)スコットランド国教会議長のラッセル・バー牧師、英国クウェーカー書記のポール・パーカー氏と共に、この声明文に署名した。
この共同声明文は、国連のシリア担当特使であるステファン・デ・ミツラ氏が、最近の停戦が崩壊してからの2週間に、376人—その3分の1は子どもたちーが殺されたと報告しているのを受けて出されたもの。さらに1266人が負傷した。国際援助組織「国境なき医師団」は、7月末以降、アレッポの8つの病院に23回の攻撃が行われてきたと述べている。
これらの教会指導者らは声明の中で、アレッポにいる「シリア政府とロシア、およびその他の軍隊による、非戦闘員に対する攻撃にぞっとしている」と述べている。
「そのような攻撃に対する責任は、まずもって、それらを実行した者たちにある。しかし、シリアにおけるそのような攻撃の頻度は、紛争における非戦闘員の免除について長きにわたって確立されてきた原則を支持するのに、国際社会の側が失敗したことをはっきり示すものでもある」と同指導者らは述べた。「国際連合の加盟国は、戦争犯罪と見なされ得るような、大人の男女や子ども、病院、人道および救援活動家たちに対する無差別攻撃について、責任のある当事者たちに責任を負わせるよう求めるべきである」
「第2次世界大戦以来最大の難民の群れを日々増し加えている、シリアにおける死と破壊の終わりを求めて、世界は叫んでいる。私たちは他の教会や他の宗教の兄弟姉妹たちに加わって、シリアの国民のために祈る。私たちは、複雑な政治の現実に対して、単純な解決策を主張しているわけではないが、私たちの信仰が持つ端的なメッセージを提示する。つまり、生きとし生けるものは神によって貴ばれており、この殺りくは今こそやめなければならないということである」
今月のより早い時期に、国連安全保障理事会は、シリアに関する2つの決議案について討論した。フランスとスペインの両政府によって作られた草案文は、全ての空爆とアレッポの都市上空における軍の飛行を即時停止するよう要求していた。包囲されている都市・アレッポのための人道的干渉を求める緊急の呼び掛けが繰り返された「熱い論争」の後、この文は賛成が11票、棄権が2票、そして反対が2票であった。反対票を投じた国の1つであるロシアは安全保障理事会の常任理事国の1つであり、その投票はこの決議案に対する拒否権を行使する結果となった。
ロシア政府から出された別の文案は、とりわけアレッポにおける、敵対関係の即時停止を強く要求するものであった。それは賛成がわずか4票であった。20日の午後、この戦闘の「人道的な休止」がロシアによって延長された。攻撃のこの短い休止によって、この都市の人たちは8つの「出口通廊」を通じて脱出することができる。それらのうちの2つは、自らの武器をおいて降参する用意のある反政府勢力の戦士たちに開かれている。この休止は21日、東ヨーロッパ夏時間で午後7時(グリニッジ標準時で午後4時、日本時間で22日午前1時)に終わることになっている。