全国的に広がりを見せる「子ども食堂」。地域に根差した活動として、NPO法人などを立ち上げて活動するところも少なくない。全国の子ども6人に1人が、「貧困」とされる時代に突入した日本は、さまざまな対策が「待ったなし」の状況にある。沖縄市にある商店街の一角で今年1月、「子どもカフェ沖縄」を立ち上げた砂川和美さんに話を聞いた。
2014年、沖縄が全国でもトップクラスの貧困率であることを知った砂川さんは、沖縄県子ども総合研究所のデータなどを手に入れ、調査した。また、商店街の店に直接話を聞きに行ってみると、「いつも商店街をふらふらとしている子がいたので、『朝ご飯食べたの?』と声を掛けると、『食べてない』と答えるので、何度かおにぎりを作ってあげたことがある」と答えた店もあったそうだ。「沖縄の子どもたちがこんな状況にあるというのは、本当なのか?」と、実際にリサーチし、厳しい子どもたちの状況を知った。
同年10月、夫妻で地域の子どもたちに食べ物を提供するサポートを開始した。「子どもフードバンク沖縄」を立ち上げたのだ。サポートを受けていることが近所に分からないよう、また子どもたちがいじめの対象にならないよう、最大限の注意を払った。
その後、地元の社会福祉協議会が、フードバンクの拠点として物資回収の業務を手伝ってくれることになり、定期的に食べ物を提供することや、ひとり親家庭へのサポートもできるようになった。翌年には、地元メディアが相次いでフードバンクの様子を伝え、支援の手は一気に加速した。
砂川さん自身、5歳の時に両親が離婚。働く母親と砂川さんを含むきょうだい3人を受け入れてくれたのは、母方の家族だった。「父親がいなくても、家族が私にたくさんの愛情を注いでくれた。だから今の私がある。今度は、私が子どもたちに愛を注ぐ番」と、活動に注力している。
そして今年1月、子どもカフェ沖縄を沖縄市の商店街「銀天街」の中にオープン。ほとんどの店がシャッターを閉めているこの商店街に小さな明かりがともった。「子どもたちが出入りすることで、周りが明るくなった」との声も聞かれ、「思わぬ効果」と砂川さんは言う。
「子どもカフェ沖縄は、かわいそうな子どもがご飯を食べにくる場所ではありません。むしろ、元気な子どもたちが、自分たちのおやつやご飯を自分たちで作ったり、自分たちの場所を掃除したり、ボランティア活動をすることで、みんなで一緒におやつを食べたり、ご飯を食べたりする場所なのです。ですから、いろいろなアクティビティーがあります。子どもたちがゲームやテレビにずっと釘付けなんてことは、ここではありません。いろいろな子どもがいますが、愛を持って接していくうちに、どの子もだんだん素直に話を聞いてくれるようになります。ここが、支援者や地域の人からの愛を届ける場所になれば」と砂川さんは話す。
運営費は寄付によって賄われている。不思議と周囲の愛ある人々が手を差し伸べてくれたのだという。遠くは、香港から電子ピアノのプレゼントもあった。「このピアノで、今までピアノを習いに行けなかった子どもにも教えてあげることができます」とうれしそうに話してくれた。
子どもカフェ沖縄がオープンするのは、毎週月〜土曜の6日間(日曜定休日)。下校時間に合わせてオープンし、午後6時ごろまで子どもたちはここで過ごすことができる。詳しくは、ホームページを。
子どもカフェ沖縄、子どもフードバンク沖縄では、経済支援、物質支援ともに受け付けている。
■ 寄付の送り先
◎ ゆうちょ銀行:店番708 記号17010 番号18146661 シャ)コドモフードバンクケーエフビー
◎ 他銀行からゆうちょ銀行:店名七〇八 店番708 番号1814666 シャ)コドモフードバンクケーエフビー
◎ 琉球銀行:(普)店番504 口座番号1021853 コドモフードバンクケイエフビー
※ 寄付者の会社名や個人名をブログ内で告知可能な場合は連絡を希望とのこと。
■ 物資について
一度、電話かメールで確認の上、送付のこと。
<連絡先>(日・月以外の午前10時~午後6時)
電話:090・2964・9700(砂川) / 090・7585・4169(冨吉)
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