米ポルノ俳優、ロン・ジェレミー氏が27日、米ニューヨーク州スケネクタディのプロクターズ・シアターで行われる「ポルノ大討論会」で、ポルノ依存症克服を支援するために立ち上げられたウェブサイト「XXXチャーチ」の創設者、クレイグ・グロス牧師と、ポルノ産業の危険性について討論する。2人はこれまで、全米各地の大学キャンパスで討論してきた。
63歳のジェレミー氏は、2千を超えるポルノ映画に出演し、285を超えるポルノ映画を監督してきた。
米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」によると、グロス氏は過去の討論会で、ポルノは常習性があり、ポルノ産業は女性を利用し、しばしば「ほとんど違法になるような」少女に出演を依存し、人身売買の風潮をつくっていると述べた。
一方、ジェレミー氏は、ポルノが、女性が金儲けできる代表的職業だと反論。米ニューヨーク大学の学生新聞「NYUローカル」によると、2013年10月に同大で行われた討論会では、「大学に行くお金がない女の子たちの中には、マクドナルドで働く人もいますが、ポルノに出演すれば、5~6年で大金持ちになります。私は、お金を持てば自動的に力を持つようになると言っているのではありません。ただ、米国の資本主義システムで成功するには、やはりお金です。それで全て買えるわけではありませんが、実際のところ、1300万ドル(約13億1千万円)を稼いで人生を送れるのです」と述べている。
この討論会でジェレミー氏は、ポルノ映画に出演した女性たちの給与水準の概略を語っている。「出演した場合の報酬額の明細を言いましょう。女性同士の演技の場合は600〜800ドル(約6〜8万円)、男性との演技の場合は800〜1000ドル(約8〜10万円)です。3人以上を相手にする場合にはさらに金額はアップします。これのどこがいけないのですか?」
これに対してグロス氏は警告する。「スクリーン上でなされる行為は、個人の性生活では決して起こらない、または起こってはならない行為です。そうした映像によって、性生活を非現実的な方向に変えてみたいという期待感を抱くようになります。これは危険なことです」
未成年者のポルノ対策は、政治の世界でも行われている。クリスチャンポストによると、共和党は、10代の少年少女の3割以上がインターネットを使ってポルノにアクセスしているという報告を受け、次第に反ポルノの立場を取り始めているようだ。
共和党の政綱条項には、「ポルノは、特に子どもには悪影響を及ぼしており、多くの人々の生活を脅かす国民的健康危機となっている。われわれは多くの州がこの脅威と闘い続け、責任を持って子どもたちの安全と福祉を守っていくことを奨励する。われわれは性犯罪者がソーシャルネットワークに参加できないようにすることに賛成した。われわれは人身売買に直結する児童ポルノを積極的に告発していく」と書かれている。