中東教会協議会(MECC)の第11回総会が6日〜8日、ヨルダンの首都アンマンで開催された。同協議会の総会がヨルダンで開催されるのは初めてで、最終日に発表された声明では、シリアとイラクのテロ組織に対する武器販売を廃止するよう訴え、この地域の紛争の平和的解決へ向けた行動を呼び掛けた。カトリック系通信社「アジア・ニュース」などが伝えた。
総会は、正教会のエルサレム総主教セオフィロス3世が、中東地域の主要教会の代表者22人を招待する形で開催され、代表者らは期間中、ヨルダンのアブドラ国王とも面会した。「恵み深い主に感謝せよ。慈(いつく)しみはとこしえに」(詩編136:1)をテーマにし、中東のキリスト教徒に対し、暴力、虐待、戦争、絶望があるあらゆる場所で、神から注がれる慈しみの媒介者となるよう呼び掛けた。
アジア・ニュースによると、同協議会は声明で、紛争や迫害のために住居や母国を追われた人々、特にキリスト教徒に対する支援を呼び掛けた。また、過激派組織「イスラム国」(IS)の支配下にあるイラク第2の都市モスルや、モスル近郊のニネベ平野からの難民に特別な配慮を求めた。あらゆる過激主義やテロ行為を非難し、不安のない安全な環境をつくるために、中東地域と世界の政治指導者、またイスラム教徒にも協力を求めた。
一方、多元的共存、異文化共存の社会構築における、ヨルダンとヨルダン王の出身家であるハシーム家の役割に感謝を示し、ヨルダンが中東のモデルであり手本だと評価した。
総会には、ヨルダン、イラク、シリア、パレスチナ、キプロス、レバノン、エジプト、イランの各国・地域にある主要な教会の代表者22人が参加し、また他の地域の教会や国際的組織の代表者らも出席した。
総会に出席した世界教会協議会(WCC)のイザベル・アパウォ・フィリ副総幹事は、あいさつで総会開催のための労をねぎらうとともに、「証しし、共に行動するために、この地域の教会の全ての代表者が集ったこの総会は、中東教会協議会の復興の兆しであるだけではなく、この地域の、またこの地域以外のキリスト教徒にとっても、力強い希望のしるしとなるのです」と語った。