ナイジェリア北東部で、何十万人もの子どもたちが飢餓に直面している。イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」による残虐な行為によるものだ。現地の援助機関は、すぐに助けることができなければ、多くの子どもたちが死んでしまうと伝えている。
子どもたちの深刻な栄養失調は、ボコ・ハラムによる7年間に及ぶテロ行為の結果だ。この7年間で、2万人以上が殺害され、200万人以上が住む場所を失った。
状況は北東部のボルノ州で特に深刻で、隣接するアダマワ州やヨベ州でもこの危機の影響を受けている。
「今日、私たちの病院に来た男の子は、とても痩せていて、明らかな飢餓状態でした。男の子の両親は、私たちの難民キャンプには住んでいませんが、健康診断のためにここにこの子を連れて来ました」と、モーリス・クウェイラング神父は、アダマワ州ヨーラにある聖テレサ・カトリック教会の難民キャンプで、キリスト教系の迫害情報サイト「ワールド・ウォッチ・モニター」に語った。
「このような状況にある人たちが大勢います。彼らは、多数からなるコミュニティーの中に住んでいますが、栄養失調の状態にあり、そのほとんどが見過ごされています。人がたくさんいるのにもかかわらず、誰も彼らのケアをしていません。彼らは、自分の家や村に戻ることを拒否しています。なぜなら故郷に戻った人たちは今飢えているからです」
国連児童基金(ユニセフ)によると、ボルノ州だけで、25万人近くの子どもたちが過去にボコ・ハラムによる支配を受け、重度の栄養失調に苦しんでいる。また、ユニセフは、ナイジェリア軍がボコ・ハラムから取り返した多くの地域でも、人々が水や食糧、衛生面の欠如に直面していると伝えている。
国境なき医師団の6月の報告によると、ボルノ州バマにある避難民キャンプでは、病気や栄養失調のため、毎日6人ほどが命を落としており、そこでは450万の人々が人道支援を必要としていると推定されている。また、ヨベ州では320万人、アダマワ州では90万人に食糧が十分に行き届いていないと推定されている。
クウェイラング神父は、食糧が不足していることを警告し、さらなる援助を訴えた。「これまでのところ、私たちは彼らに3回の少量の食事やその他の物を提供することが可能でしたが、教会は限界に達しており、恐らく向こう4カ月間で食糧が底を尽いてしまいます。援助がない場合、私たちはこれらの人々に食糧を提供していくことはできません」と語った。