米非営利団体「クリスチャン・エイド・ミッション」によると、100人以上のベトナム人牧師が、中央当局公認の教会に所属することを拒んだために投獄され、場合によっては毒殺される危機に瀕している。
当局が牧師たちを公認教会に集約しようとするのは、成長し続ける家の教会の影響力をコントロールし、弱めることが狙いとみられている。家の教会のある1つのグループは合計3千人の教会員を有するが、他の幾つかのグループと合併し、収容可能人数がたった500人の建物で集会をするように命じられた。
投獄された教会指導者たちは、ベトナムの中央高原にある村々の出身で、多くの者はその地域や地方から逃げたが、戻るように強制され、現在は刑務所にいるとみられている。
1975〜1984年の間、刑務所で服役した教会指導者のスー氏は、「政府は家の教会の成長を制限し、もっとコントロールできるようにするために家の教会の諸グループをまとめたいのです。牧師たちが合併についてと、500人を超える集会を行わないことを約束する紙に署名することを拒否すれば、打たれるか、あるいは投獄されるでしょう」と語った。
クリスチャン・エイド・ミッションは、刑務所での待遇は厳しく、粗野であるとしている。
農村地帯では現在、ユースグループの集いや他の集会とともに、日曜学校を開くことも禁止されている。子どもたちは家でだけキリスト教の教えを学ぶことができ、聖餐式にあずかることも、献金を集めることも禁じられている。また、共産主義を覆すような内容の説教をしていないかを確かめるため、警察が監視している。さらに、各教会はどれだけ多くの会員を有していても、1人の牧師しか持つことが許されていない。
獄中にいる100人以上の牧師たちのうち、42人の牧師たちは以前から投獄されており、60人余りの牧師たちが最近投獄された。先に投獄されていた42人の牧師たちは、2001年に自身が信じる信仰を実践したために、懲役15年を命じられた。既に刑期は満了しているが、現在も釈放されていないという。また、投獄された牧師たちは、逮捕時に土地も差し押さえられている。
スー氏は、「(牧師たちが)厳密に当局のルールに従わないなら、彼らは食事に毒を盛ることもできます。少し食べて、もし何かを感じたり、あるいは吐き気をもよおしたりすなら、食べるのをやめるでしょう。このようにして、数人が死にました」
このような危険にもかかわらず、スー氏のチームはベトナムの村々で伝道を続けている。当局に見つからないよう、宣教師たちは秘密裏に訓練を受け、村から村へ移動して聖書の勉強会を開いている。
キリスト教ニュースサイト「ゴスペルヘラルド」によると、オープン・ドアーズは今年の報告書で、キリスト教徒を迫害する国として、ベトナムを20番目に置き、暴力の項目では最大スコアを付けた。ベトナムでは、人口の約10人に1人がキリスト教徒である。