私たちの心は周りの環境に左右されませんか。私の場合は、小鳥のさえずる声を聞くだけで、気持ちが晴れやかになります。ですから、心の状態を測る温度計があれば、小鳥の声が聞こえないときより、心の温度は2、3度は上がるでしょう。空高く軽やかに飛ぶ鳥の姿は、私の心を引き上げてくれますから、心の温度も、さえずりを聞くときよりもさらに高くなるでしょう。
ふさぎ込んで飛んでいるコマドリがいるでしょうか。羽をだらりと下げたり、急降下し、それでも空から落ちないようにと必死にもがきながら飛んでいる鳥を見たことがありますか。どのような鳥にも言えますが、飛んでいる鳥を見ていると、「私も飛びたい」という気持ちにさせられますから、なんとも不思議なものです。
悠々(ゆうゆう)と羽ばたいている鳥について思い巡らして気付いたことですが、鳥という生き物も、やはり、他の生き物と同じように、危険にさらされて命をつないでいると言えるでしょう。食べる物といえども、他の鳥に任せるわけにはいきません。自ら探し求めます。着る物は、来る年も来る年も同じ衣装です。地に降り立って羽を休めると、ありとあらゆる敵の餌食になります。
たとえ、高い所にある自分の住み家にいても、仲間の攻撃を受けやすいのです。どこにいても、常に気の休まる時がありません。いつ危険が押し寄せてくるか予測ができない、不安定な自然界に身を任せて生きているのですから。
しかし、鳥が自分の巣を羽でおおう所はどこでも、本当の「わが家」になるのです。聖書の御言葉に、目を留めてみましょう。
「空の鳥を見なさい。種蒔(ま)きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。けれども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです」(マタイ6:26)
天の父が鳥を養ってくださるのですね。それで、鳥はいつでも幸せそうに空を高く飛び交っているように、私たちの目には映るのでしょう。同時に、最後の御言葉も忘れないでください。
「あなたがたは、鳥よりも、もっとすぐれたものではありませんか」(マタイ6:26)
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【書籍紹介】
ミュリエル・ハンソン著『蜜と塩―聖書が生きる生活エッセイ』
読んでみて!
一人でも多くの方に読んでいただきたいエッセイです。聖書を読んだ経験が有る、無しにかかわらず、著者ファミリーの普段着の生活から「私もそのような思い出がある」と、読者が親しみを抱くエッセイです。どなたが読んでも勉強になります。きっと人生の成長を経験するでしょう。視野の広がりは確実です。是非、読んでみてください。
一つは、神を信じている者が確信を持って生きる姿をやさしく、ごく当たり前のこととして示しているからです。著者は、日本宣教のため若き日に、情熱を燃やしながら来日しました。思わぬ事故のためにアメリカへ帰らなければなりませんでしたが、生涯を通して神への信頼は揺るぎませんでした。
もう一つは、日常の中に働いている聖霊のお導きの素晴らしさを悟ることができるからです。私たちの日常生活が神様のご意志のうちに在ると知ることは、安心と平安を与えるものです。
さらに、著者のキリスト者生活のエピソードを通じて、心が温まるものを感じます。私たちの信仰生活に慰めと励ましが与えられます。信仰が引き上げられて、成長を目指していく姿勢に変えられていく自分を発見するでしょう。
長く深く味わうために、急がずに、一日一章ずつでもゆっくりと読んでみてはいかがでしょうか。お薦めいたします。
ハンソン夫妻の長い友 神学博士 堀内顕
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