「正義と誠実を追い求める者は、いのちと正義と誉れとを得る」(箴言21:21)
2人の人が散歩に出掛けました。1人が「今日も良い天気だなあ」と気持ち良さそうに背伸びをすると、もう1人は「今日も暑くて嫌になっちゃう」と汗を拭いました。
すると突然、雨がパラパラと降ってきました。1人が「良いお湿りだ、濡れて行こう」と機嫌良く歩き始めると、もう1人は「全くイヤになっちゃう、これじゃ洗濯物が乾かないよ」と文句を言いました。
しばらくすると雨は上がり、2人は美しいバラが咲き誇っている公園にやって来ました。1人が「何て美しいバラなんだ、香りも最高だ」と感動していると、もう1人は「バラはトゲがあって嫌いだ」と吐き捨てるように言いました。
2人はのどが渇いたのでジュースを買って飲みました。半分飲んだところで1人が「ああ、まだ半分も残っている」と満足そうにそれを眺めていると、もう1人は「ああ、もう半分しか残っていない」と嘆きました。
この2人の心の態度は全てにつけて正反対です。肯定的と否定的、積極的と否定的、前向きと後ろ向き、創造的と破壊的です。
春山茂樹著『脳内革命』によると、心が否定的になると体内からノルアドレナリンという物質が発生し、老化を早め、発がんを促進し、心が肯定的になるとβ―エンドルフィンという物質が発生し、若さと健康を保持するそうです。
「正しい心の態度」は成功と幸せの大前提です。従って心の態度が悪ければ、何をしてもうまくいきません。それは、数学の問題を解くとき「1+1=3」を前提とすると、それ以降の計算は全て誤りとなるのと同じです。
バンク・オブ・アメリカのロサンゼルス支店で起こったことです。この支店の駐車場は地下にありました。銀行を利用した人は、窓口で駐車券を出してスタンプをもらえば駐車料金は無料となります。しかし、人々が悪用を始めました。少額の金を銀行から引き出しスタンプをもらうと、他の店へ行って買い物をし、駐車料金を無料にしたのです。
そこで銀行は、駐車料を有料にしました。ある日、有料になったことを知らなかった年配の客が来て、スタンプをもらおうとしたとき、窓口係が「もう無料はやめたので、スタンプはありません」と告げました。
その客は納得いかない様子でなお食い下がりました。窓口係は、長い列を横目で見ながら横柄な対応をしたのです。するとその客は、列の一番後ろに並び直して再び自分の番が来ると、自分の口座から預金の全額420万ドル(約4億3千万円)を引き出し、向かいの別の銀行に預け直してしまいました。
この銀行は窓口係の不誠実な態度のおかげで、一瞬にして420万ドルの預金を失ったのです。
あるガソリンスタンドが「なぜお客が来なくなるのか」その理由を調べたところ、次のような結果が出ました。
それによると、1パーセントは死亡、3パーセントは引っ越し、5パーセントは近くに他のスタンドができた、7パーセントは価格の問題。そして、84パーセントは従業員の無神経な態度。心の態度は、必ずその人の人柄や言葉遣いや行動に表れます。
イエス・キリストは言いました。「心の貧しい者は幸いです。天の御国はその人たちのものだから」
イエスは「貧しい心」こそ、神の祝福を受ける鍵だと言ったのです。ここで言われている「心の貧しい人」とは「自分の弱さ、欠点、無知を素直に認め、神に対しても人に対しても謙虚な心を持つ人」のことです。
イエス・キリストが十字架にかかられたとき、その両側に2人の強盗が一緒に十字架につけられました。2人の強盗のうち、1人の強盗は「おい、お前が本当に救い主なら、自分自身と俺たちをここから救い出してみろ」とイエスをののしりました。
しかし、もう1人の強盗は「イエス様、あなたが天にお帰りになるとき、私のことを思い出してください」と謙虚な思いをもって頼みました。すると、イエスは彼に言いました。「まことにあなたに告げます、あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます」
この強盗は、人生の最後の最後に何にも変え難い宝物を手に入れたのです。謙虚な心とへりくだった態度は、この世においても神の国においても成功する鍵なのです。
「神は、高ぶる者を退け、へりくだる者に恵みをお授けになる」(ヤコブ4:6)
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