【CJC=東京】教皇フランシスコは、イスラム教スンニ派の最高権威機関「アズハル」の指導者アフメド・タイブ氏と5月23日、バチカン(ローマ教皇庁)で会談した。教皇とタイブ氏は、今回の会談が両宗教の理解と対話を深めるきっかけになることを願っている、とAFP通信が報じた。
両者の会談は今回が初めて。教皇フランシスコの就任後、両宗教の関係が大きく改善されてきたことを象徴する出来事。
バチカン筋によると、教皇はタイブ氏と抱擁とキスを交わした後、会談の冒頭で「われわれの対面こそがメッセージになる」という短いコメントを出した。
今回のバチカン訪問に当たりアズハル側は、双方が「平和会議」を開くことに合意したと発表。バチカン側はこの会議計画について直ちには確認しなかったが、報道担当者は約30分に及んだ会談が「非常に心のこもった」ものだったと述べている。
バチカンのフェデリコ・ロンバルディ広報事務所長は、教皇とタイブ氏は「主に世界の主要宗教の権威と信者らが直面している共通の課題に焦点を当てた」とし、この課題には世界平和に向けた協力、暴力行為やテロの拒絶、中東の紛争やテロを背景としたキリスト教徒をめぐる現状や保護などが話し合われたことを明らかにした。