【CJC=東京】キューバ革命後のカトリック教会の立て直しに尽力し、最近では米国との国交正常化交渉の舞台裏で重要な役目を果たしたハバナ大司教ハイメ・オルテガ枢機卿(79)が5月22日、35年の司牧活動に終止符を打った。
教皇の口添えで始まったキューバと米国の歴史的和解に向けた交渉が妥協点を見いだせずにいる中、密使となって教皇の親書をラウル・カストロ議長とバラク・オバマ米大統領に直接手渡したのがオルテガ枢機卿。
元ピアニストで、キューバ革命後に労働収容所に8カ月間入れられた経歴を持つオルテガ枢機卿は1981年、ハバナ大司教に、94年、枢機卿に就任後、カストロ政権と市民との橋渡し役として、キューバ国内の教会立て直しに大きな力を果たし、政府と国民両方があつい信頼を寄せていた。
1936年10月18日生まれの枢機卿は2011年、75歳を迎え、慣行に従い、大司教辞任を教皇に要請した。教皇の承認が4年以上も延ばされたのも、これまでの働きの重さの現れと言える。