【CJC=東京】現職の米国大統領として88年ぶりにキューバを訪れたバラク・オバマ大統領は20日午後、雨の中を大統領専用機「エアフォースワン」がハバナのホセ・マルティ国際空港に着陸すると、すぐに自身のツイッターにスペイン語で「ケ・ボラ、キューバ?」(キューバ、元気かい)と投稿、歴史的な訪問を開始した。
空港には、ブルーノ・エドゥアルド・ ロドリゲス・パリージャ外相らが出迎えた。今回の訪問にはミシェル夫人と2人の娘のほか、ケリー国務長官ら閣僚、超党派の議員団と企業関係者が同行している。
大統領は、現地のアメリカ大使館の職員らを前に「歴史的な訪問であり、キューバ市民と直接触れ合う歴史的な機会だ」と述べ、今回の訪問の意義を強調した。
20日はイースタ-直前の「枝の主日」(棕櫚の主日)に当たる。大統領は、ミシェル夫人と2人の娘を連れて旧市街にある大聖堂を訪れ、教皇フランシスコと共に両国の国交回復に向けた秘密交渉の仲介役を担ったキューバ・カトリック教会のトップ、ハイメ・オルテガ枢機卿(ハバナ大司教)と面会した。
大統領は訪問2日目の21日に、ラウル・カストロ国家評議会議長と首脳会談を行うほか、22日には野球のキューバ代表とアメリカ大リーグの球団との親善試合を観戦するなど、新たな両国関係の到来をアピールする。
大統領は訪問最終日の22日、ハバナの国立劇場で演説し、両国の関係改善の意義のほか、市場経済や民主化の重要性についても説明する。演説はキューバ国営テレビを通じて全国中継される。演説後、反体制派を含む市民代表らと意見交換をするほか、米大リーグのレイズとキューバ代表チームの試合を観戦する。
大統領は同日夜、アルゼンチンに向け出発の予定。