教会・クリスチャンが教派を超えて協力する、クリスチャンのための青年大会「J+PASSION TOKYO 2016」が16日、日本バプテスト教会連合大野キリスト教会(神奈川県相模原市)で行われた。今年のテーマは「隠された宝」。首都圏を中心に集まった約180人の若者が、バンド演奏と共に力いっぱいの賛美をささげ、聖会と分科会を通して聖書の恵みを再確認し、各自の信仰を深く見つめる時を持った。
16回目となる今年は、日本同盟基督教団浜名湖バイブルキャンプ中高生キャンプの賛美を導くワーシップチームによる「爆裂賛美」で幕が上がった。同チームの心も体も全てを尽くした賛美は、参加者の心を一瞬にしてつかみ、会場が一体となって力強い賛美を次々にささげた。
その後に行われた午前の聖会では、東京・品川で開拓教会を牧会するチョ・ドリュー牧師が、イザヤ書6章1~8節よりメッセージを取り次いだ。チョ牧師は、「主イエスの素晴らしさを知ることは大きな宝。この告白ができないのは、主イエスが宝だということに気付いていないからだ」と述べ、預言者イザヤの証しを通して、主イエスがどういうお方であるかを再確認した。
チョ牧師は、同書ではイザヤが「神にこういうふうに出会い、こういうふうに変えられた」ことが記されているとし、「神の栄光」「神の聖なる清さ」「内側からの革命」の三つの事柄に注目して語った。「神の栄光」でのポイントとして、神は「重い存在」であり、「神があなたに下ってくるとき、あなたの内側に衝撃を与え、あなたを変えることになる」と述べた。
「神の聖なる清さ」では、聖なる神と直面したイザヤが、死ぬものとばかり思っていたにもかかわらず、神の赦(ゆる)しと恵みを経験していることを話した。さらに、「聖書は、イザヤが受けるべき裁きを、イエスが十字架の上で受けてくれたことを語っている」「私たちが罪深い姿で神の前に出ても裁かれることのないよう、イエスが十字架上で罰を受けてくださった」と話した。
続けて、イザヤ書6章8節でのイザヤの中に起きた「内なる革命」について述べ、「神の栄光を少しでも体験するならば、神によって自分が形づくられ、神の計画に自分を当てはめるようになり、自分の優先順位が全て変えられる」と語った。さらに、「イエス様を知ると、これこそ本当の宝物であると気付く。そして、今まで自分中心だった祈りが変えられ、自分の望みをかなえるために神を利用するのではなく、イザヤのように神のビジョンが私のビジョンになる」と力を込めた。
メッセージの終わりにチョ牧師は、「イエス・キリストと共に歩めれば十分。それ以上の恵みはない。神を味わうこと、神をエンジョイすることが信仰」だと伝えた。そして、「礼拝に出ること、聖書を学ぶこと、本当の神を知るのであれば何ものにも代えがたい大きな特権であることを知ることができるように」と祈った。
午後の聖会は、日本オープンバイブル教団町田聖書教会の吉永豊牧師が担当した。吉永牧師は、中学1年の時に受洗し、サラリーマン生活を経て牧師を目指し、神学校に入学した経歴を持つ。同大会の第1回目の立ち上げのメンバーでもある。この日は、「見つけてしまった私たち」と題して、今年の大会テーマの御言葉、マタイによる福音書13章44節を通して、イエス・キリストを信じて生きる素晴らしさを伝えた。
吉永牧師は、「イエス様のおっしゃる『天の御国』は、『私たちではなく、神様が何か最高のものすごいことをしてくれる。私たちでは想像できない何かを神様がなさる』、そういう感じのもの」だと伝え、「ここにいる若い皆さんのこの瞬間と天の御国はつながっている」と語った。
そして、「宝は畑に隠されていることに気付いてほしい」と話し、「皆さんは教会に行って、まだまだ気付いていないことがあるのではないか、いつものことと思って気付かないことがあるのではないか」と問い掛け、「自分の力ではどうにもならないときに、イエス様は隠された宝が見えるように励ましてくれる」と力を込めた。
また、「教会に行くとき、自分は喜んでいるか?」と問い掛け、「自分の心に大きな喜びがあるかを確認してほしい、喜びがある人は?」と呼び掛けると、会場から大きな拍手が沸いた。吉永牧師は、「何だか分からないけれど、イエス様を信じて喜びがあふれてくる。そんなふうに心に喜びがあるなら大丈夫」と励ました。
最後に吉永牧師は、「見つけてしまった宝は、『持ち物を全部売り払ってその畑を買う』ほどに相当価値がある」と述べ、この「何だか分からないけれど、希少価値のある、隠された宝を見つけることができるのは、日本では1パーセントしかいないクリスチャンだけだ」と話した。そして、そのことを他の人に教えられるのも、数少ないクリスチャンだけだと強調した。
吉永牧師は、「見つけてしまった宝には相当の価値があり、そのことを知っている人は日本ではまだ少ない」と語り、「隠された宝をたくさんの人に伝えたい」「これからの人生の中で神様のために働きたい」と決心した人を招き、続々と前に進み出る若者たちのために、「さまざまな背景を持つ私たちの道がどうか整えられ、強められ、世界に出て福音を宣べ伝えられるように」と祈りをささげた。
この日は、六つの分科会が行われた。東京キリスト教学園の廣瀬薫理事長は「キリスト教世界観から見るワンピース」と題して、漫画「ワンピース」の主人公に見られる「パッション」「ミッション」「ビジョン」を、キリスト教の世界観を通して語った。日本国際飢餓対策機構の田村治郎主事は「貧困・社会貢献~教会は社会を見る窓・・・この街に教会があって良かったと言われるために~」とのテーマで、教会が地域の中で全人的な必要に応えていくことの責任について話した。
この日の大会で唯一の女性講師である鳩ケ谷福音自由教会の大嶋裕香氏は、「恋愛・結婚~アダムとエバの出会いから~」と題して創世記のアダムとエバの出会いから、恋愛、結婚について自身の体験も交えながら語り、結婚とはどういうものなのかを聖書を通して考えた。チャーチ・オブ・ゴッド川崎キリスト教会の古波津真琴牧師は、「ユースを助ける大人」とのテーマで、これまでの教会での働きの中で受けた恵みを参加者とシェアした。
また、聖会でメッセージを語った吉永牧師とチョ牧師も分科会の講師として加わった。吉永牧師は「献身~牧師も社会人? 社会人も伝道者?」とのテーマで、現役の牧師や伝道師、献身を考えている人たちを前に、日本社会の中でイエス・キリストを信じて生きることの大きな意味について話した。チョ牧師は「教会を建て上げる」とのテーマで使徒言行録を見ながら、使徒パウロの宣教戦略をもとに、都心に向けて福音を語る重要さについて語った。
参加した大学3年の女子学生は、「今年もとても良かった。『ワンピース』と聖書の関係について語られた分科会も楽しかった。来年もぜひ参加したい」と感想を述べた。