【CJC=東京】ニュージーランドで若者向けの小説『イントゥ・ザ・リバー』(テッド・ダウ著、ランダムハウス社)が発売・流通禁止の暫定措置を受けた。同国のフィルム・文学評議会(FLBR)が保守的キリスト教団体ファミリー・ファーストの抗議を認めたもの。性的に露骨な内容、ドラッグ使用、女性器への隠語使用があると抗議があったという。
暫定措置は3日に発効し、正式処分は10月までに決定される。違反者は個人の場合3000ニュージーランド・ドル(約23万円)、企業は1万ニュージーランド・ドル(約75万円)の罰金。
『イントゥ・ザ・リバー』は2013年にニュージーランド・ポストチルドレンズ・ブック賞を受賞した。ティーンエイジを対象にしたもので、読者の多くは男性を想定している。著者のダウ氏は、この読者層は手強いと言う。
図書館情報協議会のジョアンナ・マシュー代表は、『イントゥ・ザ・リバー』の禁書を言論の自由にとって見逃せないと指摘。ファミリー・ファーストのボブ・マコスクリー責任者は声明で、暫定禁止措置を歓迎、ニュージーランドの若い読者に不適切な内容を制限する基準となろう、としている。