ダイナミックかつクリエイティブな祈りと伝道のイベント「SHINE JAPAN」(24日〜30日)の3日目に当たる26日、横浜市の横浜みなとみらい21地区周辺でのアウトリーチ(伝道)と、海外からの講師を招いたメディア・ワークショップが行われた。このイベントのために世界中から集まった約50人の参加者は、午前は準備祈祷会でトレーニングを受け、午後には道行く人々の中に出て行き、賛美しつつ証し入りのニュースレターなどを配った。夜のメディア・ワークショップでは、クリスチャンだけでなく未信者の人たちの興味を誘うよう、最新の映像製作に関するテーマで2人のゲストが話をした。
SHINE JAPAN を主催する7MEDIAは、新しいマルチメディア・ミニストリーを通して日本の若者たちを励まし、祈りと伝道の場を広げていくことに取り組んでいる。設立者は英国の宣教師アンディ・ゲーム氏で、スタッフのほとんどが外国人という国際的な団体だ。
午後のアウトリーチに備えて、午前に横浜にぎわい座(同市中区)で行われた準備祈祷会では、米国やカナダなど海外からの参加者が、「この国の救い主はあなた。この国の若者はあなたを必要としています」などと祈りをささげた。日本の若者に対する熱い思いに共鳴し、「日本に来てくれてありがとう」と応えたのは、地元横浜にある教会、ニューホープ横浜の真島亨牧師。元高校教師で、10代の息子が4人いるという真島牧師は、若者には福音が必要であり、また若者は可能性で満ちているという、2つのことを確信していると語った。
7MEDIAでは、福音のメッセージを4つのシンボルで表現する「THE4POINTS」というプロジェクトを行っている。真島牧師は、その最初のシンボルであるハートマークが愛を示すことに触れ、福音は愛を伝えることから始まると言い、「日本は福音を伝えるのが難しいイメージがあるかもしれないが、日本人ほど愛を必要としている人々はいないかもしれない」と語った。また、日本には「できない」と思い込む文化があると話し、イエスが12弟子を選んで訓練したように、若者の可能性を信じて導くリーダーが日本には必要だとした。外に出て行って出会う若者たちに、「神があなたを愛している」と伝え、将来を信じて励ましてあげてほしい、と力強く語った。ニューホープ横浜の若者4人も前に出て証しをし、日本は若者の救いによって大きく変えられていくということを、参加者に確信させた。
祈りと賛美、メッセージによって力づけられた人たちは、午後には「メディアチーム」「ミニストリーチーム」「音楽チーム」に分かれて、横浜のショッピング街へアウトリーチに繰り出した。人通りの多い場所を選び、ギターで賛美しダンスする音楽チームを中心に置き、チームごとにその周囲に広がって道行く人々に声を掛けた。
7MEDIAのスタッフが「若者に向けた伝道は国際色あるイベントが効果的だ」と話すとおり、白と赤のおそろいのTシャツを着た大勢の外国人がいるだけで、人々は少なからず関心を示す。何をしているのだろうと視線を向ける人たちに、ニュースレターやシリコンバンドを手渡しながら会話のきっかけを作っていく。また、「あなたにとって愛とは何ですか」という質問に答えてもらうメディアチームは、小さなホワイトボードにその答えとイラストを書いてもらい、回答者と一緒に写真を撮らせてもらう。大事なのは、「あなたの写真が載りますから、後でぜひ見てください」と、THE4POINTS のホームページに誘導することだ。ニュースレターにもシリコンバンドにも、URLやQRコードが書かれており、興味を持った人が簡単にホームページにアクセスできるよう、工夫されている。
アウトリーチを行った時間帯は、ちょうど小中高生の下校時間に当たり、ランドセルを背負って走り回る小学生たちや、友人同士で話しながら歩く高校生たちが多く通りがかった。ダンスに目が釘付けになる子もいれば、片言の日本語であいさつする外国人に首を傾けつつ、「プレゼント」と差し出されたシリコンバンドを嬉しそうに受け取る子も。スマートフォンで英語を調べながらコミュニケーションしようとする高校生の姿もあった。賛美している音楽チームを動画撮影していた若い女性に、ミニストリーチームが声を掛ける。クリスチャンのチームだと知った女性の口からは、「東日本大震災以降、地震に対する恐怖で心落ち着かない人たちがいる。その人たちのために祈ってほしい」という言葉が出た。
この形式のアウトリーチは、25日(月)から29日(金)までは横浜で、そして SHINE JAPAN 最終日となる30日(土)は東京で行われる。30日は、世界的な伝道の日「グローバル・アウトリーチ・デー」(G.O.D.)に当たり、7MEDIAのスタッフは、「5日間の横浜でのアウトリーチに参加すれば、土曜日には伝道のエキスパートになれる」と参加を呼び掛けている。
SHINE JAPAN の期間中はさまざまなイベントが開催されるが、この日の夜は横浜にぎわい座でメディア・ワークショップが行われた。日本の教会関係者や仕事帰りの日本人が増え、約80人が会場に集まった。ゲストは、英国から来日した、映像製作に関わっているクランズラー兄弟。兄のアンドレアスさんと弟のマルクスさんが、それぞれ自身の仕事の現場を紹介しつつ、メッセージを伝えるための手段としてのメディアについて、その情熱と知識を話した。
マルクスさんは、ピクサー・アニメーション・スタジオでテクニカル・ディレクターを務めており、これまでに『アイアンマン3』や『マン・オブ・スティール』などの製作に携わってきた。パソコン上でプログラミングを行い、映像にシェーディングやライティングを施すのが主な仕事だという。マルクスさんは、数枚の写真を使って、それが本物かCGかを当てるクイズを出し、現在の技術が本物と偽物の境界線を非常に曖昧にしていることを示し、参加者を驚かせた。マルクスさんによれば、今ではほとんどの映像が、実際に撮影されたものとCGを組み合わせて完成させられているという。パソコンの中だけで全ての作業が行われるという意味では、非常に便利になったが、CGをゼロから作り上げるのには、多くのスタッフと何段階もの手順を踏まなければならないと説明し、CGであっても、良い作品を作るためには、時間と予算がどうしても必要だと分かりやすく話した。
アンドレアさんは、ロンドンで映像制作会社に勤務しつつ、ロンドンヒルソング教会のプロデューサーを務めている。「日本には面白い機会がたくさん転がっている」と言うアンドレアさんは、人口も多く、経済的にもある程度裕福で、何かを作る能力がある国だと、日本を評価。しかし、人口のわりには、他の国に比べて新しいコンテンツが生み出されていないとも指摘し、日本のクリスチャンたちから、クリエイティブな動きを発信していくチャンスがあると励ました。
7MEDIAでは、アーティストの証しの映像をインターネットで公開することを通して、若者への伝道に力を入れている。アンディ氏は、2人の話を受けて、「彼らの影響を受けてますます良い映像製作に力を入れていきたい」とコメントした。
SHINE JAPAN の詳細は、ウェブサイトで。最終日の30日(土)には、無料のコンサート「JOY FESTIVAL」が、午後1時から日比谷公園の野外音楽堂で開催される。