世界的な祈りの日「Global Day of Prayer」(GDOP)から、世界的な伝道の日「Global Outreach Day」(G.O.D.)までの1週間にわたって、国際的なチームによる伝道活動「ONE WEEK TO SHINE」が行われた。世界7カ国12都市から参加者が集まり、東京都内の各所でダンスや音楽、フラッシュモブなどを行い、道行く人々に証し入りのニュースレターを配るなどしてイエス・キリストを伝え、共に祈る時間を持った。
今年のペンテコステは6月8日。聖霊降臨祭として、プロテスタントからカトリックまで全世界の教会で祝われるが、この日は、世界的な祈りの日でもある。ペンテコステを中心に、その前10日間、その後90日間も含めて祈り合う「GDOP」は、2000年に南アフリカから始まり、現在は世界220カ国に広がる祈りの働きとなっている。
「ONE WEEK TO SHINE」も、この祈りの日「GDOP」からスタートした。東京・表参道にある東京ユニオンチャーチを会場に、日本社会の様々な領域のための祈る集いを開いた。ゴスペルシンガーの横山大輔が賛美をリードし、未来を担う若者たちが、青年、子ども、ビジネス、震災地東北といった各トピックのために、紹介映像とともに祈り、様々な教派から集まった参加者もこれらの祈りに心を合わせた。
そして、9日から13日までの平日5日間は、東京・御茶ノ水にあるお茶の水クリスチャン・センター(OCC)の一室を借り切り、午前は祈りと集会を持ち、午後は毎日、秋葉原や新宿、池袋、渋谷といった都内の各所、また横浜市の桜木町へと伝道に出掛けた。
今回はアメリカやカナダ、オーストラリア、スイス、シンガポール、中国、韓国など、海外からの参加者が多く集まった。約50人のチームで、フラッシュモブや「PRAYER WALK」として、道行く人々に証し入りのニュースレターや、ロゴ入りのリストバンドを手渡した。新宿では歌舞伎町も訪れ、コーディネーター役を務めた宣教師のアンディ・ゲーム(Andy Game)氏は「ヤクザやホステスのような人たちにも伝道しました。涙を流す人もいました」と語った。
「1週間毎日出掛けて、東京の異なる地域に行き、いろいろと面白いことをしました。ヒップホップダンス、パーコウ(Parkour)、ミュージック、フラッシュモブ。多くの人々と良くつながることができ、路上で多くの人々のために祈る機会を持つことができました。彼らの祝福を祈ったり、またイエス様を紹介しました」とゲーム氏。毎日、イエスを自分の人生に受け入れたい、もっとイエスについて知りたいという人々が起こされ、「各地域のクリスチャンや教会につなげたいと思っています」と言う。
5日間はあいにく雨が多かったが、聖書のメッセージをイメージ化したロゴ入りの傘を差しつつ伝道した。傘はフラッシュモブ用のアイテムとして用意したものだったが、伝道用のツールとしてのインパクトもさることながら、実用面でも活躍したようだ。
最終日の14日はそれまでの雨天とは打って変わって晴天に恵まれた。午前には渋谷から原宿までのダンス&フラッシュモブ伝道、午後には日比谷公園の野外音楽堂でコンサート「JOY FESTIVAL」を行った。
「JOY FESTIVAL」には、ニューホープ横浜ゴスペルフラ、Samuelle、ヤマモトカオリ、横山大輔、MARISA、ハレルヤ・ゴスペル・ファミリー、レイ・シドニー(Ray Sidney)ら、多数のアーティストが出演。ステージ脇には、「ONE WEEK TO SHINE」の伝道ツールのデザインにも携わったデザイン会社や、ヒーリング(癒し)、スポーツ・アウトリーチなどいくつかのブースも設置された。「多くのコラボレーションをしました。私たちはコラボレーションが大好きです」とゲーム氏は言う。
一方、「G.O.D.」は、一般のクリスチャンがそれぞれの才能と機会を生かして、さまざまな方法で行う伝道の働き。世界各地でこの日、形にこだわらない様々な伝道が行われたが、一般の伝道集会のように説教者が立てられることはない。「JOY FESTIVAL」でも、メッセージの時間は特に設けられず、出演者が証しや賛美を通して、神の愛を伝えた。
最後には、司会の真島亨牧師(ニューホープ横浜)が、「聖書には良いニュース(ゴスペル・福音)が書かれているのです。それは、今みんなが歌ってくれた、神様がみんなを愛しているのだということなのです」「この神様の愛をみなさんにも少しでも知ってほしいし、分かち合いたいと思っています」と話し、出演アーティスト全員と約500人の参加者全員で「Oh Happy Day」を歌った。
「GDOP」が今年15年目を迎える運動であるのに対し、「G.O.D.」は今年で3年目の比較的新しい運動だ。ドイツの宣教団体「No Limit」の代表であるワーナー・ナッチガル(Werner Nachtigal)牧師を中心に2012年に始まった。しかし、参加するクリスチャンの数はすごい広がりを見せ、過去2年間で2500万人が参加している。
「G.O.D.」の働きを日本で公式パートナーとして行っているのはゲーム氏がCEOを務める7MEDIAという会社。ゲーム氏が、インドネシアで開催された宣教会議でナッチガル氏と知り合い、日本への火付け役を担った。昨年は、渋谷でフラッシュモブを行うだけだったが、今年はこれを拡張して1週間の「ONE WEEK TO SHINE」にした。
「『ONE WEEK TO SHINE』は、祈りと伝道のための日本独自の新しいイニシアティブです」とゲーム氏。「開催するのは今年が初めてですが、もっと大きくして、毎年開催していきたいです。私たちのためではなく、イエス様の名が日本で知られるように」と言う。
ゲーム氏は、英国発の伝道プログラム「アルファ・コース」を日本に紹介した宣教師で、日本ではアルファ・ジャパンを設立し、10年間その代表を務めた。2011年8月に、「社会の7つの領域を包含する新しいマルチメディア・ミニストリー」をコンセプトに7MEDIAを設立し、1)アート・エンターテイメント、2)ビジネス・職場、3)コミュニケーション、4)ディスアドバンテージ(傷ついた人々への働き)、5)教育、6)家族、7)政府・リーダーシップ、の7つの領域で伝道の働きをしようと取り組んでいる。
すでに、1)の働きとしては、デザイン性溢れるツールで主に青年伝道を行っている「THE 4 POINTS」、2)の働きとしては、朝食会や夕食会を開くなどしてビジネス伝道の場としている「YOUNG PROFESSIONALS」、3)の働きとしては、今回の「ONE WEEK TO SHINE」、4)の働きとしては、主に東日本大震災の被災者向けに発している「HopeForLiving.net」がある。
この1週間、ゲーム氏は「多くの時間を祈りのために割きました。毎朝祈り、世界の10都市以上からいろいろな参加者が集まり、一緒に祈りました」と言う。また、「この働きが、日本のみなさんが、友人や家族など誰かに伝道することへの刺激、励ましになれば」と語った。