グローバル・アウトリーチ・デー(G.O.D.)のビジョン集会が17日、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)で開かれた。G.O.D.は、世界中のクリスチャンが5月最後の土曜日に一斉に伝道する日で、ドイツの宣教団体「ノー・リミット」代表のワーナー・ナッチガル氏が中心となり、2012年から始まった。世界福音同盟(WEA)や世界各地の宣教団体の協力を得て、100カ国以上で行われている。
日本では、英国人宣教師のアンディ・ゲーム氏が設立したマルチメディア・ミニストリーを展開する7MEDIAが公式パートナーとして、このG.O.D.を主導している。昨年は、世界的な祈りの日、グローバル・デー・オブ・プレヤー(GDOP)とG.O.D.を結んだ1週間を、「ONE WEEK TO SHINE」と名付け、東京都内の各所でダンスや音楽、フラッシュモブなどを行い、道行く人々に証し入りのニュースレターを配るなどした。
今年も5月22日(金)から31日(日)にかけて、同様の企画「SHINE JAPAN」が開催される予定だ。これに先立ち、この日開かれたビジョン集会には、ナッチガル氏が特別ゲストとして迎えられ、「G.O.D. は単純だからこそ力強い」と励ましのメッセージを語った。
ドイツ出身のナッチガル氏は、子どもの頃、誰からもイエス・キリストの話を聞くことがなかったという。キリスト教の文化が根付き、伝統的なクリスチャンが多くいる社会でも、本当の意味でイエスの救いを受け入れているクリスチャンはわずかなのではないかと話す。10代の終わりに一人の牧師によって救われたナッチガル氏は、イエスを救い主と告白したその夜から、32年間にわたって変わらない情熱で伝道し続けてきた。
そのナッチガル氏に2008年、「全てのクリスチャンがある1日に伝道する」というビジョンが与えられた。キリスト教は「宗教」ではなく、全人類にとって「福音(良き知らせ)」であるのにもかかわらず、9割以上の教会が熱心に伝道していない状況があるとナッチガル氏は言う。確かに、伝道は「簡単だ」とは言い切れない。「毎日伝道しよう」と言えば、難しく思う人が多いはずだ。しかし、「少なくともこの1日、世界中の全てのクリスチャンが一緒に伝道しよう」と呼び掛ければ、それは教会を動かし、国全体を変えるほどの起爆剤になるのではないか、とナッチガル氏は語る。
G.O.D.ですることは非常に単純だ。「祈って、伝道する」。「私はここにおります。私を用いてください」と神に祈り、福音の本質であるイエス・キリストの十字架の贖(あがな)いと復活、人類への愛を証しすることだけだ。
証しする方法は一人ひとりに任されるが、大切なのは「相手に関心を示す」こと。神の心は広く、日本人全てを心にかけることができる。そして、何よりも神自身が全ての人が救われるのを望んでいる。ドイツでは、ベルリンの壁が崩壊したときにリバイバルが訪れたという。東日本大震災という歴史的災害を通して、人々の心が驚くほどに開かれているこの時期が日本にとっては完璧な時、「今が救いの日だ」とナッチガル氏は力強く語った。
昨年の「ONE WEEK TO SHINE」の映像を通して、日本でのG.O.D.について紹介した7MEDIAのスタッフも、日本は変わりつつあると話す。昨年の活動を通して、日本人の霊的な飢え渇きを強く感じたと感想を語った。昨年の実績から、若者に向けたアプローチは、フラッシュモブなどのパフォーマンス、国際色あるイベント、喜びを表現することが非常に有効であることが分かったという。今年からは、地域にある教会との連携を深め、若者だけではなく、子どもからお年寄りまでを巻き込むことができるようにしていきたいと期待を語った。