中東にあるウィクリフ聖書翻訳協会のオフィスを過激派が襲撃し、4人の同協会職員が殺害された事件を受け、同協会は、クリスチャンにとって最も危険な地域で聖書翻訳をしている働き人を対象にしたトレーニング・セッションを計画していることを発表した。
同協会のCEO、ブルース・スミス氏は5日、「神の言葉が必要とされていない場所など、地球上のどこにもありません」と述べ、「そこは、恐怖、抑圧、暴力、死のある、心の痛む場所です。クリスチャンが攻撃の対象となっています。にもかかわらず、そこには、真実を知ることに飢えたたくさんの人々と、聖書を密かに共有しているクリスチャンがいます」と語った。
同協会は、業務上安全面の配慮から、殺害場所の詳細な位置を発表していない。過激派に殺害されたとみられる4人の職員らの死亡原因は、2人が銃弾によるもので、他の2人は暴行されたことによると伝えられている。この暴行された2人が翻訳者の上を覆うようにして伏せていたため、翻訳者は命を落とさずに助かった。
事件後、同協会は「残るチームが8言語の地域のための翻訳、出版、また福音書の印刷に以前にも増して尽力するとの誓いを新たにした」と述べた。
同協会は、最初となるトレーニング・セッションを非公開の場所で行うことを計画している。テロリストの支配下にあり、クリスチャンたちが敬遠されるような地域で働いている聖書の翻訳者らを支援するためのものだ。このセッションでは、新しい翻訳形式を採用する。これを使用すると、翻訳に要する時間が大幅に短縮できる。
スミス氏は、この働きによってさらに危険は高まるが、同協会はオーランドにある本部に留まって安全の中にいることよりも、危険を冒してでも海外で活動することを選ぶと、フォックス・ニュースに伝えた。「そうです。とてつもないコストがかかっています。しかし、初代教会の父、テルトゥリアヌスが言うには、殉教者の血は、教会の種なのです」
同協会は、敵対的な地域における翻訳者たちを支援するため、ソフトウェアの入ったタブレット端末、その他のテクノロジーや設備、住む場所、食事、日々の生活に必要な支援の提供がこの計画に含まれていると述べた。
「神の言葉は、多様な国の人々に手渡され、人々の心にまで届くことでしょう。その国々がどこかということは、危険があまりにも大きいので口にすることはできません」とスミス氏。「恐怖と悲劇に対する私たちの応答は、そこにいる人々の使用する言語によって、その地域を神の言葉であふれさせることです」
今年の目標は、新しい翻訳形式によって少なくとも新たに500言語の翻訳プロジェクトが開始されるよう支援することだと、同団体は述べた。