東京メトロ半蔵門線の九段下駅(東京都千代田区)で4日午後3時ごろ、電車がベビーカーの前輪部分をドアに挟んだまま発車し、ベビーカーを約100メートル引きずり落下させる事故があった。ベビーカーに子どもは乗っておらず、けが人はなかった。読売新聞などが伝えた。
同紙によると、ベビーカーを挟んだのは、半蔵門線・中央林間発押上行きの10両編成の電車。6両目の電車に母親と子ども2人が先に乗り、父親がベビーカーを押して乗ろうとしたところ、ベビーカーの左前の車輪がドアに挟まったという。
電車はベビーカーの本体部分が外に出た状態で発車し、同紙と産経新聞によると、ベビーカーはホーム上を約100メートル引きずられ、ホーム端の柵にぶつかって破損、線路上に落下した。
両紙によると、車内とホームそれぞれで非常ボタンが押されたが、20代の女性車掌は対応せずに発車。「隣の神保町駅で対応しようと思った」などと話しているという。朝日新聞によると、車掌は最後尾の10両目に乗っていた。また、挟まった部分が細く、ドアは異常を検知できなかったという。
東京メトロは、車掌の安全確認が不十分だったことが事故の原因だったとし、安全確認の指導を徹底するとしている。
一方、ベビーカーを押して電車に乗ろうとした父親が、駆け込み乗車のように、電車が発車する直前に無理に乗ろうとしていたのかどうかなど詳細は、これまでのところいずれのメディアも報じていない。