中国の著名なキリスト教徒で人権派弁護士が、当局に勾留されてから7カ月後、釈放された。張凱氏は23日、解放されて内モンゴルの自宅にいるとの報告をSNSに投稿した。解放に当たっての条件があったのか、また張氏の健康状態については明らかになっていない。
過去張氏と共に働いたこともある、信教の自由を守る人権団体「チャイナエイド」は、「私は、今回自分を案じてくださり、また私の家族を慰め、世話をしてくださった全ての友人に感謝します」との投稿を親族が確認したと述べた。
弁護士の張氏は、中国の東海岸にある浙江省で、十字架の強制撤去に瀕した100以上の教会の代理人を務めてきた。彼はまた、どうすれば教会が自分を守れるかを助言し、発言の自由の権利をめぐって告発された牧師たちのために語ってきた。
2015年8月25日、米国の信教の自由大使との面会を間近に控えたころ、張氏は逮捕された。彼は6カ月間、非公開の場所で常に監視される「黒監獄」に勾留された。
勾留から6カ月後、張氏は国営放送に出演し、自白をした。このことは活動家の間で怒りを買い、多くがこの自白が強要されたものだと指摘した。張氏は後に「省の治安を脅かした罪」と「公の秩序を害した罪」で告発された。
チャイナエイドの創立者で張氏の友人でもある傅希秋氏は、張氏を「勇敢な人権派弁護士」と評した。「釈放の詳細な条件がいまだ不明ですが、私はこの良い知らせを聞いてとても喜んでいます」と傅氏。
「私は中国当局に対し、弁護士の李和平氏や王宇氏、教会の指導者、胡石根氏、李国志牧師、包国華牧師、顧約瑟牧師や他の専制的に収監された宗教の指導者、人権派弁護士や人権活動家を釈放するようアピールします」
信教の自由を守る人権団体「世界キリスト教連帯(CSW)」のマーヴィン・トーマス最高経営責任者は、張氏の釈放を歓迎しつつも手放しで喜ぶことはできないとし、当局に対し「無制限の自由」を認めることを呼び掛けた。
トーマス氏は、「私たちは、張凱氏の同僚の弁護士や浙江省の多くの牧師が勾留されていることに、さらに懸念を表し続けます。中国当局に対し、中国国内で内心の自由や他の人権を守る活動をする人々の権利と安全を保護するよう求めます」と述べた。