十字架の撤去に抵抗した中国の牧師に懲役14年、その妻に懲役12年の実刑判決が下ったと、浙江省の公営新聞が伝えた。
「浙江日報」によると、中国南東部の裁判所は、贈収賄、金融犯罪、国家の安全を脅かすために人々を集めた集合罪で包国華牧師と妻の刑文香牧師を起訴し、懲役刑を下した。
裁判所はさらに、夫妻に重い罰金を科した。包国華牧師は60万元(約1035万円)を没収され、さらに罰金10万元(約172万円)を科された。妻も別途60万元(約1035万円)を没収され、さらに罰金9万元(約155万円)を科された。
「浙江日報」によると、ほかに包牧師の教会の会員や同じ浙江省金華市のキリスト教団体に属する10人が逮捕された。
中国当局は、宗教に対し強硬路線を進めている。ここ2年間で、浙江省の職員が教会から1200以上の十字架を撤去し、多くの教会堂が破壊された。
その主な標的は、登録されていない「家の教会」だ。米国在住で家の教会の説教者、ジュヨン・ログォ(Zheng Leguo)氏によると、包牧師は会衆を指導する認可を受けていたが、彼の牧会している教会の十字架の撤去に抵抗したことで拘束されたと考えられている。
包牧師と妻の有罪判決のニュースは、キリスト教徒の人権弁護士、張凱氏が、中国の国営テレビ局で「自白」する様子が放送されたわずか数日後のことだった。迫害に抵抗する教会のために働いたことで逮捕された張氏は、現在「黒監獄」に拘束されている。彼は十字架の撤去命令に対して戦う100以上の教会の代理人を務めた。