【CJC=東京】教皇フランシスコとバチカンの高位聖職者らが参加して、ローマ郊外アリッチャの黙想の家「カーサ・ディヴィン・マエストロ」で、6日から11日まで、エルメス・ロンキ神父の指導のもと「福音における率直な問い」をテーマに四旬節の黙想会が行われた。
黙想は午前と午後との2回あり、3月9日午後の部では、「姦通の女」のエピソードの1節、「イエスは、身を起こして言われた。『婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。だれもあなたを罪に定めなかったのか』」(ヨハネ8:10)を取り上げ、ロンキ神父による講話が行われた。
同神父は、他人の欠点を非難することを好む人は、過ちを犯した人に石を投げつけることで真理を救えると信じていると述べ、こうした考えが国家間や、教会内、職場に争いを生むことになると指摘、権力が人間の命や宗教を利用して「神と人間との対立」を煽るとき、宗教的原理主義の悲劇が生まれると話した。
神は偽善者や、他人を非難する者、裁く者に対して我慢できない方であり、キリスト教の素晴らしさはまさに「神と人間の抱擁」にある、と同神父は説いた。掟と厳格さだけがあるところには、神に仕える者はいても、神がいないと、神父は述べ、立ち上がり、人々の魂に近づき、罪人と同じ立場に身を置くイエスの愛といつくしみを強調した。
教皇は11日午前、黙想を終え、バチカン(ローマ教皇庁)に戻った。