教皇フランシスコは、イエメンで殺害された4人の修道女たちのために祈った。バチカン放送局日本語版が6日に報じた。
教皇フランシスコは6日正午の祈りの集いで、イエメン・アデンの高齢者施設で2日前、4人の修道女をはじめ多くの人々が殺害されたことに深い悲しみを表した。
神の愛の宣教者会に属するこれらの修道女は、施設でお年寄りの世話に当たっていた。教皇は、同会に精神的連帯を示し、襲撃の犠牲となった全ての人々と遺族のために祈った。
「彼女たちは現代の殉教者です。この事件は新聞の一見出しではありません。彼女たちは教会のために血をささげたのです。彼女たちは襲撃者らによって殺害されただけではなく、広がる無関心の犠牲ともなったのです」
このように話した教皇は、修道女らの冥福と、平和と命の尊重のための祈りを、神の愛の宣教者会の創立者、マザー・テレザの取り次ぎに託した。
バチカン放送局英語版が7日報じたところによると、銃撃犯たちは、これら4人の修道女と12人の非戦闘員を殺したのに加えて、同じ高齢者施設で暮らしていたインド人のサレジオ会宣教師の神父を拉致したという。
この襲撃の際に、この神父は「チャペルで祈っていた」。インドのスシマ・スワラジ外相は、ツイッターで、トム・ウズフンナリル神父と確認されたインド国籍の人が「イエメンでテロリストに拉致」されたと語った。隣国のジブチの役人たちが、同神父が確実に解放されるために居場所を確認しようとしていると、同外相は述べた。殺された修道女のうちの一人はインド人。
ケララ州のサレジオ修道会司祭でバンガロール管区に所属しているトム神父は、以前にこのテロリストたちから命を脅かす脅しを受けていたにもかかわらず、慈善活動を放棄することを拒んでいたと、マラヤーラム語の大衆紙「マラヤーラ・マノラーマ」のオンライン・ニュース「オンマノラーマ」が報じた。
イエメンやアラブ首長国連邦、オマーンにおけるカトリックの宣教活動は、アブダビを拠点とする南部アラビア使徒座代理区の管轄下にある。約100人の司祭が、この代理区にいる、主に国外居住者であるカトリック信者の共同体に奉仕している。昨年、イエメンで内戦が勃発してから、その宣教活動の多くは放棄された。
神の愛の宣教者会は1973年からイエメンにもあり、当時の北イエメン政府の招待を受けて、高齢者や貧困者の養護施設の世話をしている。アデンの施設は1992年に開設された。