中国南部の海南省海口市で2月29日午前、刃物を持った男が小学校の児童10人を刺す事件が発生した。刺された児童10人に死者は出ていないが、全員が病院へ搬送された。男はその後自殺したという。米CNNなどが伝えた。
CNNによると、これまでのところ、男の犯行動機は不明。英BBCによると、男は45歳で、児童たちが小学校から出たところ襲い、学校の外で男子児童6人、女子児童4人の計10人を刺し、その後自殺したという。刺された10人のうち2人が重傷だが、命に別条はないという。
海南省は、海南島を中心とする中国最南部の省で、海口市は省都。
CNNとBBCによると、中国では同様の事件がこの数年相次いで起きている。2014年には、中部・湖北省の小学校で児童3人が男に刺されて死亡し、その数週間後にも、南部・広西チワン族自治区で子ども4人が刺されて死亡する事件が起きている。また、12年には中部・河南省で、男が小学校前で刃物を振り回し、児童23人が負傷。10年には42歳の男が、東部・福建省の小学校で児童8人を殺害する事件が起きている。
CNNが中国国営の新華社通信の報道として伝えたところによると、04年の児童3人が殺害された事件では、犯人の男は娘が夏休みの宿題を提出できず、授業に出席させてもらえなかったことに腹を立て、襲撃しあ可能性があるという。男は犯行後、ビルから飛び降りて自殺している。
また、CNNによると、12年の児童23人が負傷した事件では、新華社通信は当時、「最後の審判の日」のうさわが犯行つながったと警察がみていると伝え、男は10年の児童襲撃事件のテレビ報道に刺激を受けたなどと話していると伝えていたという。
一方、BBCによると、こうした事件はこれまで、犯人の個人的な恨みや精神疾患の問題と関連付けて報じられてきたが、中国の指導者は、社会的な緊張がこうした犯罪の隠れた一因になっていると認めているという。現地の記者は、急速な社会の変化や、古い医療システムが重度化する精神疾患に対応しきれていないことも、一つの要因だと指摘しているという。