押し花事業をめぐる出資詐欺事件で、警視庁は15日、押し花制作会社「フラワーライフ」(東京都渋谷区)の柳雅人顧問(57)を詐欺容疑で全国指名手配犯人として、公開手配した。
FNNによると、柳容疑者は、フラワーライフでは「山本」を名乗って顧問を務めており、説明会や個別面談などで勧誘を担当していたという。警視庁の発表によると、柳容疑者は身長172センチの中肉で、温泉、パチンコが好きだという。また、博多なまりがあるとし、博多弁で「まさと(雅人)、なんばしょっと!(何してるの!)」とある。
フラワーライフは2007年から事業を開始。契約先の企業に押し花を貸し出すレンタル事業をしていると言い、パートナーを募集。パートナーには3年間、「サポート料」を毎月振り込むとし、最初に支払った金額に大幅に上乗せされた利益が配当されるなどと説明していたという。しかし、実際にレンタルする押し花も、レンタル先の企業もなく、当初はサポート料を支払っていたが、14年春以降は出資者への返還が滞っていたという。
産経新聞によると、フラワーライフは全国約2300人から約60億円を集めていたとみられ、毎日新聞によると、12年4月には経営が行き詰まっていたが、その後も勧誘を続け、全国約1400人から約42億円をだまし取っていたとみられている。
既に社長の村田多恵子容疑者(58)ら幹部2人が1月に逮捕されている。FNNによると、柳容疑者は村田容疑者らが逮捕される数日前に、千葉県匝瑳(そうさ)市で足取りが確認されたのを最後に行方が分からなくなっている。
同紙によると、警視庁は柳容疑者も詐欺に関与していたとみて、大阪や福岡、兵庫、千葉の各府県を中心に行方を追っていた。警視庁は「『よく似た人を知っている』『公共交通機関内(電車、バス等)で見た』など、どんな些細なことでも結構です。情報をお寄せください」としている。