【CJC=東京】教皇フランシスコが1月17日夕、ローマ市内のユダヤ教会堂を訪問した。バチカン放送によると、ローマ教皇のユダヤ教会堂訪問は、第1回教皇ヨハネ・パウロ2世、第2回の前教皇ベネディクト16世の訪問に続き3回目。
ユダヤ教会堂のあるローマの「10月16日広場」に到着した教皇を、ローマにおけるユダヤ教共同体の指導者や同会堂の責任者たちが出迎え、歓迎の意を表した。
1943年10月16日未明、ローマ在住のユダヤ教徒1024人がナチスにより強制連行された事件を記念する、会堂前に設置された碑の前で、教皇は、しばらく黙祷し、花環をささげた。
教皇は、ローマのユダヤ教共同体の歓迎に応え、次のように話した。
「私の心の中で、いつもユダヤ教共同体との関係は大きな位置を占めていました。アルゼンチンのブエノスアイレスの大司教だったときも、毎年機会のあるごとに会堂を訪れ、親交を温めてきました。そして時とともに霊的な絆を強め、友情関係を親密にしてきました。同じ創造主である父なる神の御前で兄弟姉妹としての意識を確保するため、また主を共に賛美するためには、諸宗教対話は不可欠です。またそのためにも、お互いに尊重し合い、評価し協力したいと思います」
「ユダヤ教とキリスト教の対話には、特別な絆がその根底にはあります。それは、キリスト教の根はユダヤ教にあるということです。ですからユダヤ教徒とキリスト教徒は兄弟なのです。ユダヤ教徒とキリスト教徒は同じ神と豊かな共通の霊的遺産によって深く結ばれているのです」