長崎市香焼(こうやぎ)町の三菱重工業長崎造船所香焼工場で建造中の大型客船「アイーダ・プリマ」で11日午後8時半ごろ、火事があった。約15平方メートルが焼けたが、けが人はなかった。共同通信などが伝えた。
同通信によると、工場関係者が「船内で煙が充満している」と119番通報。7階の劇場近くが焼けたという。電気配線が火元とみられている。
船内ではスプリンクラーが作動し、消防車13台が出動。火は約1時間後に鎮圧状態になり、12日午前0時10分に鎮火した。TBSによると、当時船内には約200人の作業員がいたが、全員が避難し、けが人はなかった。
アイーダ・プリマは、世界最大のクルーズ客船運行会社「カーニバル」(米国)傘下のクルーズ会社「アイーダ・クルーズ」(ドイツ)から、三菱重工が2011年に受注。当初は昨年3月までに納入を予定していたが、設計や資材の相次ぐ変化で建造が遅れ、三菱重工が特別損失を計上する原因になっている。
納入がこれまでに3度延期され、今年度内にも引き渡しが予定されていたという。この火事の納入への影響は、今のところ不明。