中国福建省泉州の信徒墓碑
福建省泉州には、元代に活動していたエリカオン(福音)信徒たちの墓石が多数発見され、当地の博物館に保管展示されています。その一つの碑が2008年10月、愛知県瀬戸市の愛知県陶磁資料館で一般展示されました。
その資料館に行き、学芸員の許可を得て撮影したのがこの墓碑です。碑にはシリア語が刻され、十字の先端には三つの円が描かれているのは唐代景教徒たちの墓石や景教碑の十字のシンボルと同じで、三位一体の神をシンボルしたと考えられます。シリア語の読解は解読されていないとバンプレットに書かれ、碑の裏面(碑陰)には年代などが書かれてあります。
福建省泉州の泉州海外交通史博物館館長の丁博士とは、2013年の国際景教研究韓国大会で研究発表を共にし、幾つかの墓石について詳しく紹介されました。
中央アジアのキルギスの信徒墓石
2005年、愛知県瀬戸市の愛知万博「愛・地球博」の中央アジアのキルギス館には景教徒墓石が展示されました。
キルギス国周辺には多くの信徒墓石が発見されています。この墓石にも十字の先端に三つの円が描かれ、周辺にはシリア語が刻されてあります。
これらの墓石碑は彼らが「世の光・地の塩」として地上に生きてきた信仰の証しとしての総決算ではないかと考えます。
「このように、あなたがたの光を人々の前で輝かせ、人々があなたがたの良い行いを見て、天におられるあなたがたの父をあがめるようにしなさい」(マタイ5:16)
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川口一彦(かわぐち・かずひこ)
1951年、三重県松阪市に生まれる。現在、愛知福音キリスト教会牧師。日本景教研究会代表、国際景教研究会(本部、韓国水原)日本代表。基督教教育学博士。愛知書写書道教育学院院長(21歳で師範取得、同年・中日書道展特選)として書も教えている。書道団体の東海聖句書道会会員、同・以文会監事。各地で景教セミナーや漢字で聖書を解き明かすセミナーを開催。
著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。最近は聖句書展や拓本展も開催。