フランスのローラン・ファビウス外相(69)の長男で実業家のトマ・ファビウス氏(34)が15日、モロッコのカジノで20万ユーロ(約2700万円)の偽造小切手を使用したなどとして、文書偽造や詐欺、マネーロンダリング(資金洗浄)容疑で逮捕された。
AFP通信によると、トマ氏の金銭関係をめぐっては2013年に捜査が始められており、トマ氏が700万ユーロ(約9億3000万円)で購入したパリのマンションが、資金洗浄に関わっているのではないかと疑われているという。当局はこの日、このマンションを家宅捜索した。
英ガーディアン紙によると、トマ氏の弁護士はトマ氏が勾留中であることを認めているが、その他についてはコメントしていない。マンションをめぐる捜査が2年前に始まった際、マンションの購入金は「預金と銀行からの融資」で支払ったと弁護士は話していた。
トマ氏はこの他、米ネバダ州ラスベガスのカジノで2012年5月、一晩で350万ドル(約4億3000万円)も負け、その支払いのために不正な小切手を使ったとされている。ネバダ州当局が逮捕状を取り、米国に入国した場合は直ちに身柄を拘束される状態だという。
トマ氏は過去に、さまざまなベンチャービジネスを立ち上げる一方、カジノで何百万ドルも使い、自身のことを「ルーレット・チャンピョン」などと語っていたという。
一方、トマ氏の父であるファビウス外相は、パリで開かれていた国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)の議長として、歴史的な「パリ合意」採択を導いたばかりで、父の名声に水を差す形となった。