「マックスむらい」のペンネームで知られる村井智建氏が設立し、10月に東京証券取引所マザーズに上場していた「AppBank」(宮下泰明・代表取締役社長CEO、東京都新宿区)は10日、経理部門責任者であった同社元役員が、過去3年間に約1億4千万円を横領していたことが発覚したと発表した。
AppBank によると、元役員は2012〜15年に、自身が関与する複数の法人などを AppBank の取引先のように偽装して不正送金していたという。これまでに判明している不正送金の合計金額は、約1億4千万円に上る見込み。今年11月下旬の税務調査の過程で、支払先の中に所在が判明しない取引先が見つかり、12月上旬の社内調査で発覚したという。
AppBank は、横領発覚後速やかに実施した社内調査により、不正送金の金額はおおよそ特定されているとしているが、今後、元役員以外に関与者がいないかを含め詳しく調査するため、弁護士や公認会計士などの外部専門家や社外役員を含む調査委員会を早急に設置する準備を進めているという。
元役員、また今後関与者が明らかになった場合は関与者に対しても、厳正な処分を行うとともに、刑事告訴する方針。被害額の確定や回収見込みなどについては現在調査中で、業績に与える影響は確定次第発表するとしている。
AppBank は、「今般の業務上横領と疑われる事実の発生を厳粛に受けとめ、再発防止に向けて全力で取り組んでまいります」としている。
スマートフォンやゲームの攻略方法などを紹介するウェブサイト「AppBank」を運営する AppBank は、約2カ月前の10月15日にマザーズに新規上場したばかり。村井氏は今年3月まで AppBank の代表取締役CEOを務めていたが、現在は取締役メディア事業部長。