少年事件の尾行のためだとし、ゲームセンター代の名目で架空の捜査費を約400回にわたって請求し、計約80万円を流用したとして、兵庫県警は、主導した男性警部補(52)ら5人を詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の容疑で書類送検した。架空請求した警官は計15人に及び、監督責任のある者も含め計27人を処分する。毎日新聞などが伝えた。
同紙や産経新聞などの報道によると、捜査費の架空請求をした15人は27〜52歳で、懲戒免職処分となった52歳の警部補が主導した。他の14人は警部補の部下だったという。兵庫県警本部少年捜査課に所属していた警部補はその後、県警宝塚署に異動。今回は、宝塚署に異動してからの記録が残る約20万円分について、警部補と同署の部下ら4人を書類送検した。県警本部少年捜査課の部下ら10人については、記録が残っていなかったことなどから立件はされず、処分のみとなったとみられる。
架空請求は2009年4月から、部下が上司に相談して発覚する14年10月までの約5年半にわたった。警部補は、単独で請求した場合、不審に思われることから、部下を巻き込んだと話しているという。部下らは、架空に請求して得た金の大半は実際に捜査で使った費用に充てたというが、警部補は個人的な飲食に充てていたという。
朝日新聞によると、この警部補は少年捜査のベテランで、部下らを指導する立場だった。架空請求をした部下らは、「断れなかった」と話しているという。兵庫県警では10月にも、交通違反の捜査報告書で不正が発覚し、警官70人が虚偽有印公文書作成・同行使などの容疑で書類送検され、11月には万引き事件の捜査を放置したとして警官3人が犯人隠避容疑で書類送検されている。同紙は、いずれもベテランや上司の立場にあった警官が主導的だったとし、警察内部にある階級的な体質の問題点を指摘している。