立会いと同時に相手の目の前に両手を突き出し、パチンと手をたたく相撲の奇襲法「猫だまし」。多くの場合、力が勝る強い相手に対する一発勝負で使われる戦法だが、横綱の白鵬(30)が、大相撲九州場所10日目の17日、この猫だましを使い、関脇の栃煌山(28)を下した。
NHKなどによると、白鵬は立会い、猫だましを食らわせて栃煌山の突進をかわし、さらにもう一度猫だましをして、寄り切りで勝利した。白鵬はこれで今場所10勝で全勝をキープ。猫だましを使ったことについては笑いながら、「勝ったからうまくいったことにしよう」(NHK)と答えたという。
一方、日刊スポーツ紙によると、日本相撲協会の北の湖理事長(62)は、「やられる方もやられる方だけど、やる方もやる方。横綱としてやるべきことじゃない。横綱がやるのは前代未聞」などと述べ、客席から拍手が少なかったことなどを指摘し、苦言を呈した。
北の湖(当時横綱)は現役全盛期、何とか勝とうとした三重ノ海(当時大関)から猫だましをされたことがあるが、この時は北の湖が勝利している。