コプト正教会は27日、一部の青年たちがなぜ同教会を離れつつあるのかという問題を理解する助けとして、匿名による地球規模・多言語での調査を行う。これは同教会の歴史上初めてのことだという。コプト正教会教皇タワドロス2世の事務所のアブラハム・アズミー神父が9日、東方教会のフェイスブック上のコミュニティーページ「オリエンタル・オーソドクシー」で発表した。
アズミー神父によると、コプト正教会は現在、この調査の準備を進めており、調査は同事務所がコプト正教会のウェブサイト「コプティック・ワールド」を通じて実施するという。調査の結果は分析を経て教会指導者たちに送られ、さらに研究されるとともに、同サイトの会員もその結果を見ることができるようになるという。
「より多くの利用者が登録すればするほど、それだけ今回と将来の調査が統計的に意義の大きく力強いものになるだろう」と、アズミー神父は記している。
同サイトにある世界地図には、欧米やオーストラリア東岸地域を中心に、世界60カ国780都市に1738のコプト正教会があると記されている。
コプト正教会の公式サイトなどによると、同教会はエジプト人の使徒的教会で、聖マルコがその創始者であるとされている。アレキサンドリアのコプト正教会はエジプト最大の教会とされている。キリストに神性と人性の両方があることを確認したカルケドン公会議(451年)を承認しないで分離した非カルケドン派。
コプト正教会関連の英文ウェブサイト「TASBEHA.ORG」に、未婚の青年と思われる人が2011年7月に書いた相談欄の書き込みには、「僕はコプト正教会を離れてカトリック教会に加わることを考えている。離れていく唯一の理由は、コプト正教会では妻(となる結婚相手)を見つけられないからだ」などと記されている。
「皆さんの中には、『ただ祈れば神様は君に妻を与えてくださるだろう』と僕に言おうと考えている人たちがいるのは分かっている」と、この青年は記している。「僕はずっと長い間祈ってきたが、かなえられなかった。僕は神が僕に試練をお与えになっているのだと思っていたけど、でも今では神が本当に僕に(コプト正教会を)離れてほしいのだと思う。僕はもう何年も(約10年)待ってきたから、平静さを保つことがその答えだとは思いがたい。僕は、これは僕が(コプト正教会を)離れる必要があるという神からのしるしだと思う。コプト正教会を離れることで、多分、僕にはもっと大きな目的があるのだろう。僕はコプト正教会で他の問題も経験したけど、それもまた僕が離れるべきだと思う理由だ」
一方、同サイトでもこの調査についての案内が8日に発表されたところ、調査実施を前に青年がなぜ離れていくのかについての議論が既に書き込まれていたが、9日にその議論は「終わり」とされた。
なお、日本では、鳥取県倉吉市に聖ジョージ日本コプト正教会がある。