クリスチャン漫画家のさとうまさこさん(清瀬キングダムチャーチ執事)による、コミックバイブル『新約聖書 イエス・キリストの生誕』が今年4月、キングダム出版(東京都清瀬市)から発行された。作者のさとうさんは2010年に信仰に関わる漫画を描くビジョンを与えられて以来、『マンガ 天路歴程~十字架編~』(10年)、『新約聖書 イエス最後の7日間』(12年)、『劇画版 天路歴程~十字架編~』(14年)といった、キリスト教を題材とした漫画を出版してきた。
今回の新作は、タイトルからも分かる通り、イエス・キリストの生誕に焦点が当てられた作品。新約聖書のマタイによる福音書、ルカによる福音書に描かれる、イエスの生誕にまつわるエピソードが丁寧に描き出され、イエスこそが旧約聖書に約束された、全人類の罪を負う救い主であることが分かりやすくまとめられている。さとうさんは当初、ヨハネによる福音書を題材に描いていたそうだが、その途中からイエスの生誕について集中して描くようになり、最終的にその部分だけを一冊のコミックとして編集することになったという。
さとうさんのコミックバイブルは、「祈りをもって、丹精込めて描き上げた」作品。聖書の語る神の愛と救いという真理が、読者一人一人に「新しい発見」として明示されるようにという祈りが込められている。その作品を手にとってページを開けば、1コマ1コマにさとうさんの筆の跡が見て取れ、細部にまでこだわりを持って、繊細かつ力強いタッチで聖書の世界を描き出していることが分かる。
漫画アシスタントとして働いていたさとうさんは、数々の著名な作品にも携わってきた経験を持つ。しかし、21歳の時、イエス・キリストと出会い受洗したさとうさんは、世界観や価値観が大きく変えられる体験をし、漫画の世界の第一線から退くことになった。それから12年後、祈りの中で導きが与えられ、自身が知ったイエス・キリストに出会うことの絶大な価値を、多くの人々にも知ってほしいと、再び漫画を描き始めた。
「コミックなので、聖書の話が初めての方にも、子どもからお年寄りまで、分かりやすく楽しみながら読んでもらえると思う」と、さとうさんは話す。これまでの3作品と同様、今回の『イエス・キリストの生誕』も日本語版と英語版が出版されている。また、先月には、台湾最大手のキリスト教出版社・書店である基督教以琳書房と出版契約を締結し、中国語圏への出版が決定した。今後、これまでの3作品が、台湾、香港、中国、マレーシアで中国語版として出版され、電子書籍としても販売される予定だという。
『新約聖書 イエス・キリストの生誕』(さとうまさこ作、キングダム出版、2015年4月1日発行)は、定価450円(税抜)。聖書のメッセージを分かりやすく伝える宣教漫画として、ぜひ用いてもらいたい一冊だ。コミックの購入は、さとうさんの公式サイト「さとうまさこ.com」で。