8歳の少女がイエス・キリストに宛てて書いた手紙が、少女の聖書の中から見つかり、レイプ犯逮捕への決定的な証拠となった。
米ケンタッキー州コビントン警察のニック・クライス氏は、2013年10月に起こったある事件を思い出していた。「性的虐待と未成年者へのわいせつ物頒布」の罪に問われていた男が先月28日、ようやく罪を認め、25年の懲役刑が確定したと、キリスト教ニュースサイト「クリスチャンニュース」が伝えた。
「25年という(懲役)年数が、凶悪かつ言語に絶する罪を犯した被告人にとって、その罪を償うのに十分とは言えないかもしれませんが、これにより被害者の子どもが虐待の悪夢を体験し続け、これ以上の心の傷を負うことがないよう守ることができます」と、コビントンを管轄する同州ケントン郡の検察官ケイト・ベネット氏は声明で述べた。
コビントン警察は13年10月、ある子どもが性的虐待を受けていると、地元の小学校から電話を受けた。教師らは、8歳の少女が書いた、彼女の聖書の中にはさまれていたメモを捜査官に見せた。
「それはイエスに宛てられており、被告人がどのように彼女を性的に虐待したのかがはっきりと書かれ、イエスにその虐待が終わるよう嘆願していました」と、ベネット氏は地元テレビに語った。
クライス氏は、この手紙が36歳のエリック・リベラ被告を特定し、逮捕に至るまでの最大の証拠となったと述べた。「彼女が聖書にはさんでいた手紙には、とても詳しく書かれていました。だから、そういう意味では、この事件を(犯人特定の点で)易しいものにしました」
さらに警察は、被告人からどのように繰り返し虐待されたのかを少女に尋ねた。少女は、男の携帯電話や複数のポルノ雑誌にあったポルノ画像を男に見せられたことを明らかにした。
警察はその後、容疑者の自宅を捜索し、少女の説明と全く一致する複数の雑誌を見つけた。また少女の供述通り、犯人の携帯電話の中にも複数のポルノ画像を発見した。
少女がイエスに宛てて書いた手紙を読み、捜査官たちは感情的になったと、ベネット氏は言う。
「人間として、これを(読んで)泣かずにはいられないでしょう。子どもたちに対し、憐(あわ)れみの感情が出て、力になりたいと願うのが本能的なものでしょう」「どの事件もつらいものです。しかし、子どもが心から神様へ助けを請うとき、本当にこれはいたたまれないものがあります」