インド東部のカトリック系学校に強盗グループが押し入り、通報した71歳の修道女を強姦(ごうかん)したとして、地元警察は15日、容疑者5人を逮捕した。
インドのABPニュースによると、事件があったのは西ベンガル州ナディア県にあるカトリック修道院の付属学校。警察が監視カメラの映像を精査して容疑者を割り出した。容疑者5人は抵抗したが逮捕されたという。報道によると、映像には逮捕された5人以外に少なくとも7人の強盗犯の姿があり、土曜午後に学校に押し入った様子が映っていたという。
警察によると、強盗犯のうち3〜4人がシスターのスペリアーさんを、口をふさいだ上で強姦した。強盗犯はまた、120万ルピー(約230万円)を学校のロッカーから盗んでいった。
西ベンガル州のママタ・バネルジー州主席大臣は、この事件のための特別捜査を命じた。
「私たちは、ラナガット修道院で起きた事件を強く非難します」とバネルジー氏。警察が「この恐ろしい犯罪の全容を全て明らかにするでしょう。犯罪者に対しては、即座に強い行動が取られるでしょう」と約束した。
一方、学校には脅迫電話がかかってきたという。警察は、この脅迫がこの強盗強姦事件と関連があるか調べている。
ここ最近、キリスト教施設の少女や女性に対する強姦や襲撃が、インドのメディアのヘッドラインに上ることが多い。
米CNNは、「何よりも勝って、すべからく女性に対する強姦は、非常に重大な恥ずべき行動です」という、ニューデリー大司教区のドミニク・エマニュエル神父のコメントを伝えた。「しかし、この事件はさらに悪いものです。なぜなら、まず初めに彼女はお年寄りであって、しかも修道女だからです。彼女は宗教者であり、神に自分の人生をささげた人で、これまでの人生を通して処女を守っていたからです」とエマニュエル神父は語った。
公式発表によると、インドの強姦事件は1971年から875%も増加している。2011年だけでも、2万4206件の強姦事件が報告されている。
インド政府は今月初め、2012年にニューデリーで起きた犯罪組織による23歳の女性への強姦事件を取り上げた、英BBCのドキュメンタリー番組の放送を禁止した。このドキュメンタリーの中で、容疑者の一人は、「(女性は)黙って強姦を受け入れるべきだ」などと語っていた。
強姦の被害はインド国民ばかりではなく、外国人旅行者にも出ており、インド国内のあらゆる地域で強姦の被害に遭うケースが出ている。
2012年12月末に多臓器不全で死亡したニューデリーの強姦被害者は、さびた自動車のジャッキとみられる鈍器で刺された傷が死因となった。この事件で訴追された6人のうちの1人である少年は、彼女を運転中のバスの中で2回強姦したあと、腸を素手で引きずり出したとされている。
カトリックの教会と施設は、昨年12月に首都ニューデリーで襲撃に遭っている。ニューデリーのディルシャッドガーデンにある聖セバスチャン教会が放火され、その2日後には、ジャソラにあるシロ・マラバー・カトリック教会の窓が割られた。そしてさらに今年1月3日になって、ロヒニの復活教会にある像のうち、飼い葉おけが放火され焼失した。1月14日にはビカスプリにある恵みの聖女教会の聖堂が破壊された。もっとも最近では、2月2日にバサントクンジの聖アルフォンザ教会にある宗教品が汚された。また1月13日には、バサントビハールの学校が何者かによって襲撃されている。
しかし、今回の強盗強姦事件が、これら一連の事件と関係があるのかはまだ分かっていない。だが、インドのキリスト教徒は、12億人を超える人口のうち約2・3%のみを占める少数派で、さまざまな迫害に直面している。