2009年からモンゴルで宣教活動を続けている日本人のT宣教師によると、モンゴルでは現在、約2000人の子どもたちが心臓手術を待っている。モンゴル国内では医療事情が悪く、心臓手術を行うことができないため、米国や日本などが医師を派遣し、サポートしているという。
モンゴルのヘンティー県に住む1歳のツグルドゥル君も、手術を待つ一人。ツグルドゥル君は、幼稚園の障がい児クラスでT宣教師が共に働いていた女性の息子だ。モンゴルでは、出産の1カ月前から2年間の休職が定められているため、女性は現在、休職中だという。
ツグルドゥル君は、生後1カ月のときに低酸素血症(チアノーゼ)を発症し、ファロー四徴症と診断された。ファロー四徴症は、先天性心奇形の一種。心臓内部の欠陥により、体内を巡り終えた酸素含量の少ない静脈血が、大動脈へと再び流れ込んでしまう病気だ。自然には治らないため、手術をする必要がある。
今年11月には、01年からモンゴルで医療活動を行っている日本のNPO法人ハートセービングプロジェクト(略称「HSP」)から医師が訪れ、ツグルドゥル君の手術に「明美ちゃん基金」を適用できるかどうか、診断を行う。
明美ちゃん基金は、1967年に産経新聞社の提唱によって設立された、心臓病などで苦しむ子どもたちを救うことを目的とした基金。先天性心臓病に苦しむ伊勢知(いせじ)明美ちゃん(当時5歳)を、同紙が取り上げたことがきっかけで始まった。以来40年以上にわたり、100人を超える幼い命を救ってきた。心臓病を患いながらも、経済的な事情で手術を受けることができない国内外の子どもたちに適用されているほか、移植医療キャンペーンや、ミャンマー中部で病院設立支援を行うなど、幅広い活動を展開している。
ハートセービングプロジェクトの詳細はこちら。寄付金の振り込みは下記まで。
三菱東京UFJ銀行
祐天寺支店 (普)5095873
名義:トクヒ)ハートセービングプロジェクト
理事:羽根田紀幸
ゆうちょ銀行
店名・店番:018 (普)7481249
名義:トクヒ)ハートセービングプロジェクト