日本福音同盟(JEA)社会委員会は6日、JEAの公式サイトに、現在国会で審議が進められている、安全保障関連法案に関する声明を発表した。声明では、これまで憲法解釈上許されないとされてきた集団的自衛権の行使を容認する同法案は、戦後70年にわたって日本が守ってきた平和主義の在り方を180度転換するものだと指摘。JEAが2005年に発表した「戦後60年にあたってのJEA声明」を振り返り、イエス・キリストから「平和をつくる者は幸い」という言葉を与えられた者として、日本の大きな方向転換と平和主義の放棄を看過することはできないとし、同法案は「明確な憲法違反」だと非難した。
同委員会は、JEAが設置する専門委員会のうちの一つで、1986年のJEA再編時に発足し、信教の自由を主なテーマとして活動している。今回の声明では、戦後60年の声明で、有事法制化に伴う憲法9条改正の動きを阻止するため、「キリストこそ私たちの平和である」(エペソ2:14)と信じるキリスト者として、キリストにあって「心を一つにし、ともに奮闘」することを誓ったことを説明した。
その上で、同法案における集団的自衛権の行使容認は、日本国憲法の理念の一つである「国際平和主義」の放棄であり、明確な憲法違反だとし、「自衛と平和秩序の維持」の名目で行われた過去の戦争が、平和と秩序をもたらすどころか、激しい混乱にしかならなかったことを指摘。同法案について重大な憂慮の念を表し、キリストの愛による平和をつくり出すために、祈りを合わせ、一致して励むことを表明した。