今、小紙の歩みにおいて静かに進展している恵みは、転載を軸とした「信頼の絆」という波紋の広がりです。
その一つは、小紙の記事を尊敬する先達、聖公会新聞が定期的に転載してくださっていることです。小紙の記事を紙の新聞上で読むことができる、何ものにも代えられない深い励ましです。
他方、各地域に固く根差し、足元の課題を直視してその歴史的背景を探求し、将来への展望を提示する個人誌や地域教会の発行物から、記事が小紙に転載される実例があります。地域に根差しつつ、地域を越えて、体験が普遍性を持つ経験となり共有されていく過程において、小紙が小さな役割を果たせていることをうれしく思います。
今後、インターネット新聞である小紙の記事が、紙の新聞をはじめ、従来の伝達方法である紙の印刷物にますます転載されるに足るよう、幅の広い深みのある記事を提供すべく励みたいのです。
また各地の主にある同志方との出会いを与えられるために、開かれた心的態度を保ち、出会いが連載の実を結ぶよう、責任ある営みを重ねたいのです。
このような注目すべき転載の前段階に、一般的な記事の引用があります。その場合、自分の文章の目的のために相手の文章の一部を利用するのではなく、相手に対する深い敬意と両者を結ぶ信頼が、全ての営みが豊かな実を結ぶための鍵であると自覚しています。
(文・宮村武夫)