妻として、母として、ミニスターとして生きる!
「主は羊飼いのように、その群れを飼い、御腕に子羊を引き寄せ、ふところに抱き、乳を飲ませる羊を優しく導く」(イザヤ40:11)
「この聖句に出会った時、ああ、神様はとっても優しい。私のことを『何をもたもたしているんだ』なんて絶対思わないんだなあ、と感激しました。これはすべてのお母さんたちに分かち合いたい御言葉です!」
そう語るのは、小さな2人の子どもを育てながら、教会の奉仕で、また海外邦人宣教団体JCFNでも活躍する尾関祐子さんだ。彼女に出会ったのは、とある女性集会。早朝の集会だったが、スーツを着て、会場すべてに気配りを怠らない。それから後も、様々なところで彼女の働きと評判を聞くことになる。娘たちが小さいころ、完全に子育てに追われ、自分はどこかはるか彼方に飛んでしまっていた私は、彼女にとても興味がわいた。
母親がクリスチャンになったことで、小学4年生ぐらいから教会に通い出し、夏の小学生キャンプで信仰告白したという祐子さん。3人きょうだいの真ん中で、優等生タイプかつマイペースな性格だったという。
「妻と母とミニスターの3つをこなす秘訣は?」と聞いてみた。
「まずは『夫とよいコミュニケーションを取る』ことです。夫の協力なしに育児とミニストリーの両立はあり得ませんから。次に、『24/7(24 hours/ 7 days a week=いつでも)神様に仕える』ことです。子どもが生まれてしばらくは、やっぱり色々な意味で適応が大変でした。今まで四六時中ミニストリーばかりやってきていたので、急に自分が何もできなくなった気がしました。集会に行ってもほとんどのエネルギーを子どもに取られ、人とろくに話すこともできない。朝早く起きてデボーションをしようと思っても、子どもも起きてきて挫折するとか。そんな数年を送る中で、自分がまるで、まったくミニスターとしては役に立たない者になってしまったかのような気持ちになりました」
「でもだんだん、夫に仕えることも、家事をすることも、子育ても全部、神様が望む御国建設のミニストリーなのだということを教えられ、納得できるようになりました。そのうちに『ミニストリーと家庭』というふうに分けることをやめました。その代わり神様に、「今日やらないといけないことは何ですか? 今私にしてほしいことは何ですか?」と聞くようになって、随分楽になったような気がします」
「自分のやりたいことや人の期待に応えることではなくて、神様がやってほしいことを聞いて、24/7で神様に仕えればそれでいいんだなと。だから、私にとっては料理も昼寝も神様に仕える時間です。『わたしのビジョンは、あなたのビジョンよりもずっと大きい。わたしはあなたに、良い家庭人、良い社会人である以上のことを期待している』。くじけそうになるたびに、神様はそのようなメッセージで励ましてくださいました」
そして最後に、「忙しくしないということも」と祐子さんは言う。
「やっぱり、忙しいと良くないですね。私が忙しくて疲れていると、てきめんに子どもたちに影響が出ます。イライラしたりテンパったりしていると、家族中の雰囲気が悪くなります。だから、なるべくゆっくり、疲れないようにしています。それに忙しいと、何かを終わらせることに集中してしまい、人とゆっくり交わる時間が減ってしまう。神様が用意してくださった貴重な機会を失ってしまう。本当に神様と人を愛し仕えることは、忙しくてはできないなとひしひしと感じます。神様が本当にやってほしいことを見失わないためにも、『忙しくしない』を大切にしたいと思っています」
これからも、神の御国の大きなご計画の中に、24/7で妻、母、そしてミニスターとして活躍する姿を楽しみにしている。
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マリ・パクストン(Mari Paxton)
日本でスタジオミュージシャン、コマーシャルシンガーとして活躍後、オーストラリア、アメリカへ渡る。結婚後、ラマーズクラスで知り合った牧師夫妻を通して教会に導かれ、クリスチャンに。家庭集会を日本人主婦向けに始める。現在、南カリフォルニアのサドルバック教会(リック・ウォレン牧師)でゴスペルクワイアのソリストとして活躍し、3人の子どもの成長とともに、夫婦向けの家庭集会をホストしている。今年9月には、アンディ・デロス・サントスのプロデュースでアルバム「主を信じよう」(iTunesにて配信中)を発表した。