米国の公民権運動指導者として名高いマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を描き、今年2月にアカデミー賞歌曲賞を受賞した映画『グローリー / 明日(あす)への行進(原題:Selma)』の予告編が公開された。
本作の主人公は、「I Have a Dream(私には夢がある)」のスピーチで知られるキング牧師。舞台は、キング牧師がノーベル平和賞を受賞した翌年1965年のアラバマ州セルマ。キング牧師の指導の下、黒人の選挙権を求めて行進したデモ隊が警官隊に暴力的に鎮圧されるも、その様子が広く伝えられ、その後2万5千人にもなる行進につながっていく歴史的な出来事を描いている。
キング牧師を扱った本格的な映画は本作が初めて。今回公開された予告編では、黒人の自由と平等を勝ち取る夢を持ちながらも、家族を守る一人の男としてのキング牧師の苦悩や、彼の夢を支え続ける家族と仲間たちの姿が描かれている。
キング牧師は、1968年に遊説活動中に銃撃され命を落とすが、その活動により公民権法が施行されるなど、米国における人種差別撤廃に大きな貢献をした。約半世紀たった現在、米国では初の黒人大統領としてバラク・オバマ氏が就任しており、いまだに人種差別が根強い社会問題ではあるが、確実に彼の夢は実を結んでいる。
また、昨年発表されたキング牧師の伝記『Death of a King』のドラマ化も伝えられている。エンタメ情報サイト「デッドライン」は13日、今年公開される『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』の監督として知られるJ・J・エイブラムスが、『Death of a King』の映像化権を獲得したと伝えた。こちらは、キング牧師が凶弾に倒れるまでの最後の1年間に焦点を当てた物語。新進気鋭の監督の製作総指揮のもとドラマ化されることになり、再びキング牧師の業績に注目が集まりそうだ。
映画『グローリー / 明日(あす)への行進』は、6月よりTOHOシネマズシャンテほか全国で公開される。
■ 映画『グローリー / 明日(あす)への行進』予告編