ロシア正教会は11日、モスクワ・全ロシア総主教であるキリル総主教による復活祭のあいさつ文を公式サイトに掲載した(日本語公式訳はこちら)。
キリル総主教は冒頭、「ハリストス(キリスト)復活!」と宣言。「命を施すこの素晴らしいフレーズは私たちの信仰の基盤であり、希望の賜物や愛の源でもあります」と述べた。そして、「主は私たちを行動に現れる愛の偉業へと導いています。これは苦しむ者、病と戦う者、孤独な者、悩む者をはじめ、全ての人のよき隣人となることです」など説いた。
また、この愛の偉業が個人のレベルから、一つの民族または国を団結させるレベルにまで広まり、多くの人々の心が一つになると、「論理的な説明ができないような奇跡が起こり得るのです」と語った。
強い信仰と勇気に結ばれた民には、どんな敵、苦難にも勝る壮大な力が与えられるとし、「この団結と力が大祖国戦争でナチスに勝利を収めたソ連の人々の偉業的な戦いに現れていました」と指摘した。そして、終戦70周年を祝う行事が今年行われることにも言及した。
また、「苦難や誘惑に襲われたときに私たちは勇気を振り絞り、冷静でいなければなりません。なぜなら、ハリスティアニン(キリスト者)には義の勝利と悪の敗北についての偉大な約束が与えられているからです」と語った。
最後には、ロシア正教会の主教や司祭、輔祭、兄弟姉妹に、「神の力、揺るぎない信仰、平安、そして死を踏みつぶした主の復活の喜び」があるようと祈り、「ハリストスの復活の光を受け、パスハ(復活祭)の奇跡の神秘に加わりながら、私たちの勝利の喜びを隣人にも他人にも分け合い、墓から起き上がった救世主の福音を全世界に伝えていきましょう」と呼び掛けた。
一方、キリル総主教とイラリオン府主教はこれに先立ち、正教以外の諸教会の指導者たちへ宛てた復活祭のあいさつ文を、5日に公式サイトで公開していた。