ロボットは人間の生死に関わる判断をすべきだろうか? 宗教指導者たちは「絶対にダメだ」と各国政府に言うよう求められていると、世界教会協議会(WCC)が2日、公式サイトで伝えた。
生死に関わる判断を機械に委ねるのか? ロボットが戦時法を遵守するだろうか? 追跡して撃つようにプログラムされた兵器とは? 誰が責任を負うのか?
外交官や兵士、学者、そして関心のある市民らが、イースター(復活祭)後にスイス・ジュネーブで会議を開き、こうした議題について、また「自律型致死兵器」あるいは「殺人ロボット」と呼ばれる新種の兵器が持つその他の意味について議論する。
一方、WCCは、これらの兵器の「包括的・先制的禁止」を呼び掛ける宗教間宣言に署名することによって、完全自律型兵器に対して立ち向かうよう、各国および各地域の宗教指導者たちに求めている。
「世界初の完全自律型兵器が近い将来に配備される可能性がある。しかし不可避ではない。それが不可避ではないというのは、集団的な行動によって、これらの兵器をいま止めさせることができるからだ」と、WCC平和構築及び軍備撤廃担当プログラム幹事のジョナサン・フレリックス氏は述べた。
この宗教間宣言は全ての国の政府に対し、完全自律型兵器に関する国際的な論争に加わり、それらが開発され配備される前にその禁止に向けて活動するよう求めている。
「ロボット兵器は人間の尊厳といのちの神聖さに対する侮辱である」と、この宣言文は述べている。宣言文は、オランダのパックスという団体と、カトリックの国際的な平和運動組織であるパックス・クリスティ・インターナショナルが呼び掛け発表した。
「WCC加盟教会は自国の政府に対し、自ら人間を標的として殺すことができる兵器を禁止するように、いまそれらが造られる前に言うことを誓約した」とフレリックス氏は述べ、「だから私たちは教会指導者たちに対し、この宗教間宣言の支持にいま加わるよう求めているのだ」と語った。
すでに世界中の何十人もの宗教指導者や団体が、完全自律型兵器の禁止を求めるこの宗教間の呼び掛けに署名した。署名者には、南アフリカのデズモンド・ツツ名誉大主教、スウェーデン国教会のアンチェ・ジャケレン大監督・博士、台湾基督長老教会の陳錫輝牧師、オーストラリア合同教会議長のアンドリュー・ダットニー博士に加え、ヨルダンやナイジェリア、フィンランド、インドネシア、ロシア、米国、タヒチ出身のWCC国際問題教会委員会(CCIA)の委員たちが含まれている。
WCCの代表者たちは、4月13日から17日までジュネーブにある国連での会議に参加する。このような会議の開催は2年ぶり2回目だが、問題の複雑さや、民間及び軍事の両方の使用目的を持つ関連技術の急速な発展を考えれば、さらなる議論をするだけに終わるかもしれない。市民団体は、機械に人々を殺させるという道義的な一線を超えないようにするために、すでに各国政府に対し、実質的な統制についての交渉を始めるよう、強く要求している。
2013年のWCC第10回総会は、韓国・釜山で発表された「正義を伴う平和の道」に関する同総会の声明文の中で、各国政府が「完全自律型モードで運用しているときに、人間の介入なしに標的を選び攻撃するドローン(無人航空機)やその他のロボット兵器システムの先制的な禁止に対する支持を宣言する」よう勧告した。
「殺人ロボットを止めさせる運動(Campaign to Stop Killer Robots)」によると、韓国とイスラエルは現在、自らの国境を警備するために武装ロボットを配備し、人間の操縦士が全般的な制御をしているという。