宗教指導者のグループが、世界中で行われている核兵器の開発をやめるよう共同で呼び掛けた。
8つの異なる宗教の指導者26人は13日、「核兵器使用の脅威に基づく安全保障政策は道徳的ではなく、究極的には自らを脅かすことになる」とする共同声明を発表した。この声明は、4月30日から5月11日まで米ニューヨークで開かれる予定の核拡散防止条約(NPT)運用検討会議を前に出された。
英国バプテスト連合会長のクリス・エリス氏や、ウェールズ大主教のバリー・モーガン氏、スコットランド国教会総会議長のジョン・チャルマーズ氏らが、この声明を支持している。
署名者らは声明で、「どんな場合でも核兵器の使用は人類の歩みを荒廃させかねず、国際人道法に抵触し、私たちの信仰の伝統において一般的と考えられている、全ての人類の尊厳の根幹を揺るがしかねません」と訴えている。
また、核兵器の脅威により助長される、相手を信頼しない感情は、貧困や気候変動などの世界的課題に立ち向かうために必要な信頼を、いつの間にか侵食してしまうと指摘した。
さらに、国家ごとに核兵器の所持・不所持を分けることをやめるよう呼び掛け、国際社会が「全ての国に対して、法的に立証可能でかつ実施可能な核兵器の全世界における廃絶に向けての交渉に、積極的かつ確実に関与させなければならない」と主張した。
リバプール大主教のマルコム・マクマホン氏、メソジスト会議の代表ケネス・G・ハウクロフト氏と副代表ギル・ダスコンベ氏、合同改革教会議長のジョン・エリス氏らも署名者に名を連ねている。
さらに、英国ムスリム・フォーラムのマウラナ・シャヒード・ラザ氏、シク教ネットワークの代表シン卿、英国ヒンズー教協議会の代表アニル・バーノット氏らもこの声明に参加している。
英国政府は、核兵器を保持する他の4カ国と共に、核兵器廃絶に向かいかねない交渉のテーブルに着くことを長らく拒否している。
昨年12月、オーストリア政府は国際社会に対し、国際法で化学兵器と生物兵器を禁止するのと同様に、核兵器を廃絶するよう呼び掛けた。現在では40カ国がこの方針に賛同している。